2010年度アカデミー賞作品賞候補の10作品を予測!
早くもアメリカではアカデミー賞の話題でもちきり。なかでもデヴィット・フィンチャー監督『ソーシャル・ネットワーク』(2011年1月15日公開)は、批評家と一般客からの評判が絶好調なうえに、フェイスブックの創設者マーク・ザッカーバーグが時の人であることから、何かとメディアをにぎわしている。
そんな中、エンターテインメント・ウィークリー誌が、いち早く作品賞にノミネートされるだろう10作品を
予測!
1.『The King's Speech』(11月26日全米公開)は英国王室を描いたドラマで、トロント国際映画祭で最高賞を受賞。『スラムドッグ$ミリオネア』(08)、『プレシャス』(09)と過去の例を見ても、アカデミー賞作品賞のノミネートは確実。また『シングルマン』(09)でもアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた主演のコリン・ファースが、昨年に続いて主演男優賞にノミネートされることも確実視されている。
2.『True Grit』(12月25日全米公開)はアカデミー賞常連のコーエン兄弟監督作のウェスタン・リメイク映画。昨年アカデミー賞主演男優賞に輝いたジェフ・ブリッジス、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリンらが名を連ねており、予告編だけでノミネートの予感を感じさせる作品らしい。
3.『ソーシャル・ネットワーク』(全米公開中)は、評判のみならずボックスオフィスも2週連続首位を飾るなど、文句なしの最有力候補作。作品賞のみならず、主演、助演など各賞でのノミネートが期待されている。
4.『インセプション』(10)はクリストファー・ノーラン監督の脳内をのぞいてみたいと思わせる超話題作だったうえに、大ヒットを記録。ライブアクション映画としては10作品中の興行成績はダントツのトップで、昨年の『アバター』(09)のような存在だ。
5.『How Do You Know?』(12月17日全米公開)は、リース・ウィザースプーンとポール・ラッドの演技力が光るラブコメ。ジャンルとしてもアカデミー賞には難しく、競合作が多数出てくる今後はリストから除外される可能性が高い。
6.『The Kids Are All Right』は、今夏に公開されたジュリアン・ムーア、アネット・ベニング主演のインディーズ系映画。アメリカ全体ではあまりヒットしなかったが、批評家たちが多数住んでいるロスやニューヨークなどでは好評だったため、意外性でセレクトされている。
7.『トイ・ストーリー3』は、アニメの歴代興行成績No.1を記録した大ヒット作。3部作の『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(02~04)が3作品目にして作品賞を手にしたことから、ピクサーの偉業が評価される可能性が指摘されている。しかし、アニメというジャンルがどこまであしかせになるのかは予想不能。
8.『127 Hours』(11月5日公開)は、『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞作品賞を受賞したダニー・ボイル監督作。トロント映画祭では批評家からも観客からも大絶賛を浴びているが、玉石にはまった登山家のサバイバルゲームというかなり閉鎖的な内容で、アカデミー会員の評価も別れることが予想されている。
9.『Hereafter』は、10月22日から全米公開されているクリント・イーストウッド監督作。トロント国際映画祭ではあまり批評家受けが良くなかったようだが、アカデミー協会のお気に入りのイーストウッド監督のヒューマンドラマであり、ノミネートの可能性が確実視されている。
10.『Love and Other Drugs』(11月24日全米公開)は、体当たりヌードを披露したアン・ハサウェイと
ジェイク・ギレンホールのホットなセックスシーンが話題になっているコメディドラマで、今年一番セクシーな映画ともっぱらの評判。万人受けする映画ではないが、『ザ・エージェント』(96)、『マイレージ、マイライフ』(09)的な存在としてノミネートが予想されている。
10作品から漏れた話題作としては、カンヌ国際映画祭で絶賛されたダーレン・アロノフスキー監督作『Black Swan』(12月3日公開)があるが、予測では作品賞入りは微妙で、ナタリー・ポートマンの主演女優賞が有力視されている。
かなり早い次期の予想で、まだ批評家たちも目にしていない作品が多数あるため、今後この予想がどれだけ覆されるかも楽しみだ。【NY在住/JUNKO】