深田晃司監督『歓待』が日本映画・ある視点部門の作品賞を受賞
第23回東京国際映画祭の日本映画・ある視点部門で深田晃司監督作品『歓待』が作品賞を受賞した。日本映画・ある視点部門では、様々なジャンルからセレクトされた、日本映画の現在と未来を伝える新作を上映。過去では、2009年に松江哲明『ライブテープ』、2008年には市川準『buy a suit スーツを買う』などが受賞している。本年度はインディペンデント精神あふれる多彩な日本映画8作品が出品。非常にエッジがありつつ、脚本がオリジナリティにあふれ、何よりも作品全編を通じて見える抜群のユーモアのセンスの高さを評価された『歓待』が受賞した。
本作は、下町の印刷所を舞台に、一見平凡な家族が流れ者の来訪によって変化を余儀なくしていく人間模様を描く。平田オリザが主催する劇団青年団の演出部に所属する気鋭の若手監督、深田晃司の意欲作でもある。
受賞した深田監督は「どうもありがとうございます。大変驚いています。『歓待』という作品は今年撮影したばかりの作品で、非常に規模の小さい作品でスタッフ、キャストが真夏の暑い中、熱中症で倒れるスタッフがいたような過酷な状況の中で撮影されました。それが、このような賞をいただけたのが嬉しく思います。審査員の皆さんももちろんですが、この場に駆けつけてくれた観客の皆さん、スタッフ・キャストにお礼を言いたいと思います。ありがとうございました」としみじみと語った。
また、本作のヒロインを演じる杉野希妃は、日本映画として初となるプロデューサー業も兼ねている。これまで、日本・韓国・マレーシアなどで新世代の作り手と共演した杉野が、日本の新世代映画の担い手である深田監督と手を組み、企画から意欲的に本作に取り組んだ点も見どころとなっている。【MovieWalker】
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