阪神淡路大震災がテーマの名作ドラマが再編集されスクリーンに登場
テレビドラマの劇場版と聞くと、基になるのは高視聴率を記録した連続ドラマだと思われがちだが、単発のドラマでも、クオリティの高い内容であれば劇場版の存在が待望される。それを証明したのが、11月20日(土)からシネ・リーブル神戸、シネ・リーブル梅田ほかで先行公開される『その街のこども 劇場版』だ。
1995年1月17日午前5時46分に発生し、甚大な被害をもたらした阪神淡路大震災。その未曾有の災害を子供時代に体験し、現在は東京で暮らす勇治と美夏。神戸で“追悼のつどい”が行なわれる前日に偶然知り合ったふたりが、JR三ノ宮駅から追悼会場となる東遊園地に向かって歩きながら、震災によって心に残った傷をさらけ出していく姿が描かれる。
オリジナルとなるテレビドラマ版は、震災から15年目にあたる今年の1月17日にNHKでオンエア。実際に震災を体験した森山未來と佐藤江梨子が見せる、心を揺さぶるようなリアルな演技、震災地跡で敢行されたロケ撮影、『ジョゼと虎と魚たち』(03)、『天然コケッコーなど』(07)で知られる渡辺あやの自然体で温かな脚本が話題を呼び、放送するや視聴者から絶賛の声が寄せられ、第36回放送文化基金賞も受賞。そのあまりの反響の大きさから、単発作品としては異例中の異例となる劇場版の公開が決定したのだ。
ちなみに上映されるバージョンは、放送時にはカットせざるを得なかった未公開シーンを含む再編集版。“ドラマやドキュメンタリーの枠を超えた新しい表現”として評価された本作に、是非とも触れてみてほしい。【トライワークス】
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