村上春樹と並び評された、幻の作家・佐藤泰志の遺作が映画化!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
村上春樹と並び評された、幻の作家・佐藤泰志の遺作が映画化!

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村上春樹と並び評された、幻の作家・佐藤泰志の遺作が映画化!

「1Q84」がベストセラーとなり、他の代表作も続々と映画化されるなど、今や日本を代表する作家といっても過言ではない村上春樹。そんな村上と並び評されながらも、1990年に41歳の若さで命を絶ってしまった作家・佐藤泰志をご存知だろうか?

70年代から80年代にかけて、将来有望な新鋭作家として期待されていた佐藤。芥川賞に5度、三島由紀夫賞に1度ノミネートされるものの、いずれも受賞することがないまま亡くなってしまった彼の著作は、既に絶版になって久しく、長い間“幻の作家”と呼ばれ、一部の熱心な読者に支持される存在に留まっていた。そんな彼の没後20年に当たる今年、遺作である小説「海炭市叙景」が、加瀬亮、谷村美月らの主演で映画化され、12月18日(土)より公開(10月の東京国際映画祭コンペティション部門で上映された)されることとなった。

原作は、佐藤の故郷である函館をモデルにした、架空の海炭市を舞台に、そこで暮らす様々な立場の人々を描いた未完の連作短編小説。18の短編からなっていて、冬から春へと移り変わる季節の中を、貧しいながらも懸命に生き抜く人間の姿が、簡潔で透明度の高い文体で語られた傑作だ。映画は、この中から5編のエピソードを選び『ノン子36歳(家事手伝い)』(08)の熊切和嘉監督が、優しく温かみにあふれたドラマとして完成させた。

奇しくも『ノルウェイの森』(12月11日公開)や『神の子供たちはみな踊る』(公開中)など、村上春樹原作の小説が立て続けに映画化され話題を呼んでいる今、彼と同時代を生き、今作の上映を機に再評価の機運が高まりつつある作家・佐藤泰志にも注目をしてみてはいかがだろうか。【トライワークス】

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