「サヨナラの恋」相武紗季インタビュー 浮気されたら「平手打ちして、その日から連絡なんてしません!」
<インタビューPART1から続く>
――相武さんにとって一番の帰る場所はどこでしょうか?
「実家ですね。落ち着きますし、無性に帰りたくなります。1日の休みでも帰りたくて、先日も帰ろうと思って、『明日、朝から帰るから』って電話したら、『朝から誰もいないから、帰ってきてもどうしようもないわよ』って言われて、すごくへこみました(笑)」
――神崎瀬菜は政治家二世のお坊ちゃま新藤光輝と婚約しますね。相武さんは格差に耐えられますか?
「耐えられるという前に、たぶんそんな人は好きにならないと思います。家庭環境が違うと、育った環境が違って、価値観も変わってくるじゃないですか。実際、瀬菜と光輝の考え方の違いっていう部分も結構、家庭環境に現れていて、光輝はすごく薄っぺらく見えて、いつも守られているからこその考え方だったり、瀬菜は自分がひとりだけで生きてこようって思ってきたからゆえの考えだったり、そういうところですれ違って、根本的に違ったりとか。でも、瀬菜と光輝は本当にお互いを想い合ったり、好きだっていう気持ちで、逆に光輝が家から離れることができたので一緒になることができるんですけど、それがなければやっぱり根底を変えることはなかなか難しいと思います。そこで誰かを好きになってそれを持続させるのもすごく労力だし、恋愛だけに生きていくわけにはいかないじゃないですか。なので私には無理だけど、瀬菜ちゃんはすごいなって思います」
――光輝のようなお坊ちゃまで自分とは生きる世界が違うのではないかと感じてしまう人と、清次のように心臓に爆弾を抱え、移植をしなければ余命いくばくもない人から同時に言い寄られたら、相武さんはどちらを選びますか?
「ん・・・どっちも選べない(笑)。姿を消しますね。私のことは忘れてくれって。まあ、それは言いすぎですけど、でもふたりから距離を置いて、どっちかを選ぶっていう道を選ばずに、自分ひとりでどうやって生きていくかを考えると思います。そこがすごく瀬菜のかわいいところでもあって、弱いところでもあるんです。ずっと不安を抱えたり、寂しさを抱えているがゆえに誰かひとりを手放すことができない。一度でもひとりになる不安っていうものに戻ることができないから、ひとりになろうと思ってもついつい誰かの手を握り締めてしまったり、好きなのか好きじゃないのかわからなくても結局誰かに頼ってしまうところは、そういう心の弱さっていう部分でもあるのかな」
――付き合っている人がいて、光輝みたいに浮気しているのを知ってしまったら?
「そんなの平手打ちですよ! 平手打ちして、その日から絶対連絡なんてしませんよ(笑)」
――男性は大丈夫だろうっていう気持ちとかがあるんでしょうか?
「『バレない』『バレても戻って来てくれる』っていう甘え的なものがあるのではないかと。女性って母性か何かあるのか、ついつい戻っちゃったりするじゃないですか。その気持ちはわかる気がするなあと思っていましたけど、(浮気現場を)あんな間近で見たら、さすがに私はちょっと無理かな。でも、好きなら続けた方が良いし、そこに悔いが残るなら戻った方が良い。瀬菜はある意味、すごく良い選択をして、ちゃんと自分の中で悔いがない選択をしてるんじゃないかなと思いながら演じていました」
インタビューが行われた当日は、都内では10月にしては70年振りの寒さを記録したが、1つ1つの問いかけにその寒さを忘れさせてくれるような明るさと、温かさを持って接してくれた相武紗季。また、取材の合間に、お菓子を選ぶ彼女の姿がとてもかわいらしく、思わず目を奪われてしまった。
ドラマ本編には、上川演じる元作曲家・清次が瀬菜への想いを込めて弾き語る楽曲「サヨナラの恋」の詩に乗せて、本作の主題歌を担当するmiray本人が登場する。相武演じる瀬菜の揺れ動く恋心にそっと触れてみてもらいたい。【Movie Walker】