中村蒼、初ホラー映画出演は「すごく楽しかった」。その理由は?
世界的に大ヒットした密室サスペンスホラー映画の続編『パラノーマル・アクティビティ第2章 TOKYO NIGHT』(11月20日公開)で主演を務めた中村蒼にインタビュー。2010年は『BECK』『パーフェクト・ブルー』『大奥』と話題作への出演が相次いだが、本作では世界的に熱い視線を浴びそうな予感だ。彼にとっては初のホラー映画出演となったが、現場は意外にも明るくて楽しかったとふり返ってくれた。
製作費135万円という低予算のインディーズ作品ながら、全世界で180億円の興行成績を上げた前作『パラノーマル・アクティビティ』(09)。本作の続編が、日本とアメリカで2本製作された点も興味深い。日本が舞台となる『パラノーマル・アクティビティ第2章 TOKYO NIGHT』は、前作同様に疑似ドキュメンタリー形式をとり、ある姉弟が自宅で起こる不可解な怪奇現象をビデオ撮影していくという設定になっている。
弟・幸一役の彼は、実際に現場でカメラを回したという。「撮影していて、すごく楽しかったです。監督の指示は受けますが、好き勝手にやらせてもらったので、ちょっとだけ監督をやっているような気分になれました」。
今回、初めてアドリブの演技にもトライしたが、青山倫子扮する姉・春花との会話は、実に自然な感じがする。「撮影中はいかにリアルに、そして自然にやるかを意識しました。姉とのやりとりもリハーサルを何パターンも撮りました。毎回やるたびに違うので、良い緊張感があって楽しかったです。インする前は、ホラーだから休憩中も怖かったりするのかなって思っていましたが、そんなことはなくて。現場にはいろんな仕掛けがしてあり、急に物が割れたり、扉が閉まったりするシーンはこういうふうに撮るのか!って、謎が解けたりもしました(笑)」。
後半では怪奇現象が徐々にエスカレートしていく。霊感の強い少女・美鈴が苦しみもだえ出したり、姉・春花が、両足を骨折しているのに立ち上がったりするのは序の口で、最後はおぞましい展開に!「やってる側は、だんだん面白くなっていって。急に『うっ』とか言って、女の子が泡を吐くんですが、カメラ超しに見るとおかしくて。完成した映画では、白目をむいてて怖かったのですが。姉が立ち上がるシーンもモニターで見ていた時は滑稽で。でも、実際に音がつくと怖いですね。ボキボキ鳴るし」。
シーンによっては、笑いを堪えるシーンもあったのかと聞いてみると、「さすがに本番中はなかったですが、リハーサルでは何度か。でも、撮影中に笑ってしまいそうなシーンが、完成してみると怖かったりするんですね。『リング』(98)の貞子も、テレビから出てくるシーンとかってめちゃくちゃ怖いけど、撮影中は監督が『右手から出てください』とかって指示を出していたかと思うと面白いなあって。だから、初めてのホラーでしたが、現場はとても楽しかったです」。
映画が豊作だった2010年に続き、この後も『サビ男サビ女』(2011年1月15日公開)、『ほしのふるまち』(2011年春公開予定)『マイ・バック・ページ』(2011年5月公開予定)と、注目作が続く。そこで、今後やってみたい役柄や作品についても聞いてみた。「『SP』みたいに、体を動かすアクションをやってみたいです。また、かっこいい役をやってみたい。今まで弱い役とかが多かったので、颯爽と現れて敵を倒す、みたいな役をやってみたいです」。
2010年はかなりの勢いを感じた中村蒼だが、今後もさらなる躍進ぶりが期待できそうだ。まずは本作で初のホラー&アドリブ&撮影監督(!?)をこなした彼の健闘を称えたい。【Movie Walker/山崎伸子】