ジニー・ウィーズリー役 ボニー・ライト インタビューPART2

インタビュー

ジニー・ウィーズリー役 ボニー・ライト インタビューPART2

――ほかの生徒と仲良くするのは簡単ですか?

「勉強している科目に関係あるコースだと、そこにいる生徒はみな映画業界のことはよくわかっている人ばかりで、中には映画のセットで働いたことのある人もたくさんいるし、映画業界での経験のある人もいるの。生物学を学んだんだとしたらまた違った目で見られたかもしれないけれど、映画に興味のある人たちばかりだったから良かったわ。ハリー・ポッター映画では年上の人たちとお仕事をしてきたけれど、映画を作ったり、アイデアについて話し合ったりする相手は同じ世代の人たちだというのは良いものよ。一緒に勉強している人たちは、将来映画業界を担って行く人たちなわけだから、よりエキサイティングなものよね。年上の人たちと一緒に仕事をするのも楽しいけれど、若い人どうしの間で情熱をかき立て合い、自分たちのプロジェクトを作ったり、自分たちで資金繰りしたりということを一緒にやっていくことができれば、それにこしたことはない。彼らに次世代の映画業界の人たちになってもらいたいもの。ロンドンのアートスクールで素晴らしい先生に恵まれているから、クリエイティブな環境にあると言えるわね。家で一人で何か良いことないかなと待ち続けるのは楽しくないでしょう(笑)」

――あなたのジェイミー・キャンベル・バウアー(グリンデルバルド役)との関係から『トワイライト』も引き合いに出されることが多いと思われますが、『ハリー・ポッター』は『トワイライト』に比べてどこがどう良いのでしょう?

「どうかしら。私はその2つは全く違うストーリーの映画だと思うので、J・K・ローリングが描いた『ハリー・ポッター』の世界の方が、個人的にはより奥が深く、神話的、歴史的要素もある、より深い作品だと思うわ。ハリー・ポッターはあらゆる年齢層にアピールするものだけれど、トワイライトはアメリカ版ファンタジーといった感じで、全く違うストーリーだと思うわ。原作から映画化された『ハリー・ポッター』『トワイライト』、その他の作品の素晴らしいところは、映画を見るだけでなく、子供たちに読書を勧めることになるということね。J・K・ローリングのお蔭でどれだけの人数の子供たちが本を読むようになったかということを考えると、素晴らしい効果だと思うわ。10ページ以上は本が読めない子供たちもたくさんいたのにね。そんなわけで原作が映画化されることへの関心というのは、また新たな側面だったと思うの。『トワイライト』もまた独自のものを切り開いてきたはずだし、お互いが相乗効果となっている。同じカルチャーの中で、流行るものが次々と出てくるのは世の常だから、私たちの世代のファンタジー映画、子供向けのファンタジー映画、若者が出演している映画、それだけでなく監督も音楽担当も脚本家もみな若いといったふうに、若い世代への関心が高まっているのはエキサイティングだわ」

――『ハリー・ポッター』の本以外でお気に入りの本はありますか?

「たくさんありすぎるわ(笑)。Aレベルでは英文学を勉強したので、ジェイムズ・ジョイスの『ダブリン市民』やF・スコット・フィッツジェラルドなどは好きだわ。個人的にはハリー・ポッターのような本は選んで読まないかもしれないけれど、もちろん関係しているから毎回ファンと同じように発売になったらすぐに読んだわ。でも、それ以外ではファンタジー系の本は読まないわね」

――あなたの中で『ハリー・ポッター』シリーズはどのような存在ですか?

「これまで経験した中で最も大きなインスピレーションとなったわ。私の人生を考えると、人生の半分以上をこの映画が占めているので、人生の中でも大きな存在だし、社会現象にもなった大きな作品に関わってこられて光栄だわ。今から50年経った後も、映画史上に残る作品だから、映画史の本にも載るだろうし、特に今映画について勉強していると、映画史を振り返ることもよくあって、そういう目で見るとすごいことだと思うわ。子供映画や子供向けの本の人気を上げ、より重要なものとしたので、それまでになかったものをカルチャーの中に紹介したという意味でも、説明するのさえ難しい大切な経験となったわ」

――これまで以上に大がかりな撮影だったと思いますが、これまでの撮影と異なった点は何でしたか?

「2部作になると最初に聞いた時はしっくりこなかったのだけれど、それが具体的にどうやって成し遂げられるのか興味があったわ。2冊の本を映画化するのではなく、あくまで原作は1冊なので、頭の中では1冊の本の映画化だととらえていたの。つまり実際のストーリーはもともとつながっているものだということね。どの作品だって、最初から順番通りに撮って行ったりしないから。そういう意味ではPART1とPART2の区別はそれほど難しくはなかった。その都度、どちらのシーンかということはわかるように印がついていたしね(笑)。これまでも1本撮るだけでも撮影期間は1年とかなり長かったのに、この映画の撮影は2009年2月から始まって、2010年の6月にようやく終わったという、1年以上にもわたる長いものだったのだけれど、その間ずっとエネルギーを持続させるのは難しかったので、私たちみながそれはチャレンジだと感じていたわ。そしてまた2部をそれぞれ違ったものとして区別するのは、原作の構成からして自然なものだった。でも2009年当初から、私たちの頭の片隅には、『ハリー・ポッター』はこれで最後だという意識はあったの。その日がいつか来ることはわかっていたけれど、なるべく考えないようにしていた。終わってしまうという意識があったからこそ、『よし、それじゃあ、一日一日をできる限り楽しまなくては』と思ったわ。戻って来ることはないと思うのは不思議な感覚だった。終わった今ほどではないにしても、撮影中も私の中で既に過去を振り返っているところはあったわね。幸運なことに映画はセルロイドに記録されて残るものだから、10年後にでもまた振り返りたいと思えばいつでも見られるの。来年の夏にオーディエンスに見てもらうまでは、まだ完全に終わったわけではないので、それは嬉しいわ」

インタビューPART3に続く
インタビューPART1はこちらから
作品情報へ