「スター・ウォーズ」の巨匠、「ゲーム・オブ・スローンズ」をゲスト演出?
4月15日に日本でも放送が開始した海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章が、米国をはじめ世界中のネットやSNS上で、大きな話題の的になっている。シーズン7から約2年間を経て放送が開始された本シーズンの最新エピソードを見たファンは、ツイッターやYouTubeを通じて、各々感想やレビューを投稿している。
特にジョン・スノウとデナーリス・ターガリエンの関係性や、ブラン・スタークの“終始真顔で観察”する様子が“インターネット・ミーム”(画像などにおもしろいキャプションやセリフを加えてジョークにするもの)となり、トレンド化している。
また、最終章の第1話放送後、HBOはシーズン8の製作裏映像を公開した。その映像には、なんと「ゲーム・オブ・スローンズ」の撮影現場に「スター・ウォーズ」シリーズの生みの親、ジョージ・ルーカスが登場し、ジョン・スノウとデナーリス・ターガリエンのシーンをゲスト演出する様子が映しだされている。実際ジョージ・ルーカスは単に撮影現場を視察しただけだったそうだが、現場に映画界の巨匠が登場したことで、「うれしかったけど緊張した、だってジョージ・ルーカスだからね」とGOTのクリエイターのデイヴィッド・ベニオフは語っている。
GOTの撮影現場でジョージ・ルーカスは、ジョン・スノウを演じるキット・ハリントンに「OK、いまの(テイク)良かったよ。君にはもう演出することはないかな。実は君の役柄のことはどうでもいいんだ」と言い、隣に立つエミリア・クラーク(デナーリス役)を爆笑させたりしている。
実は、「スター・ウォーズ」と「ゲーム・オブ・スローンズ」の世界が交差する接点は、今回が初めてではない。エミリア・クラークは、「スター・ウォーズ」のスピンオフの『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(18)にキーラ役で出演しており、タースのブライエニーを演じるグウェンドリン・クリスティーは、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)に出演している。またGOTのクリエイターのデイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスは、新しいスター・ウォーズの映画シリーズの脚本と製作を手掛けることが決定している。
ルーカスフィルムの社長、キャスリーン・ケネディは、米エンターテインメント・ウィークリーと行ったインタビューで「(デイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスは)『ゲーム・オブ・スローンズ』が終了し次第、スター・ウォーズに着手する予定です。単にこれからどのようなトリロジーを作り上げるのかを練っているのではなく、これから10年間、業界のストーリーテリングをどう改革していくかを話し合っているんです」と語っている。
『アイアンマン』(08)の監督として知られるジョン・ファヴローがプロデュースする「スター・ウォーズ」のドラマシリーズ「The Mandalorian(原題)』は既に製作が開始しているようだが、ルーカスフィルムは、J.J.エイブラムス監督が手掛けるエピソード9で「スカイウォーカー・サーガ」が完結した後は、「スター・ウォーズ」の映画は(アンソロジーを除き)一時小休止にする予定だと発表している。
ルーカスフィルムは、これから新しい製作陣を迎えてスターウォーズ・フランチャイズを開拓するために、世界中で「スター・ウォーズ」と「ゲーム・オブ・スローンズ」の熱が少し冷める、ベストのタイミングを見計らっているのかもしれない。
LA在住/小池かおる