『ウォール・ストリート』のオリバー・ストーン監督来日「日本は豊かな国に見えます」

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『ウォール・ストリート』のオリバー・ストーン監督来日「日本は豊かな国に見えます」

世界の金融マーケットの中心地ニューヨークを舞台に、非情なマネーゲームの行方を描いた『ウォール街』(87)の続編『ウォール・ストリート』(2011年2月4日公開)。同作のオリバー・ストーン監督が緊急来日し、11月29日に都内で来日記者会見を行った。

今作は、前作『ウォール街』(87)の続編となる。23年ぶりに続編を撮ろうとした理由を「前作は1980年代で、金融業界では自由市場と言われ、金融緩和が始まりました。そして2008年にリーマンショックで終わり、『このタイミングに』と思いました。この『ウォール街』と『ウォール・ストリート』の2つの作品は、本棚の始めと終わりという感じで、前の作品が春の花開く若いチャーリー・シーンのモラルの話で、どうやって成長していくかということが描かれています」と明かした。

証券詐欺からマネー・ローンダリングまで、不正なやり口によって刑務所に服役したゴードン・ゲッコーと、彼を演じたマイケル・ダグラスだが、オリバー監督は「人間の道徳心があるか、ないかということになりますが、ゲッコーにしてみると、刑務所から出てきて人間的に反省したのかですよね。それはゲッコーの微笑みに答えが入っています。そして最後は、娘に本当に認められたいからなのか、それともやはり金のためなのか、ご覧になった皆さんが決めていただくところだと思います。本当のマイケルは家族を大事にしている人ですけどね」と、役柄とは逆のマイケルの姿を紹介した。キャリー・マリガンとの仕事を振り返り、「キャリーはとても素晴らしい女優です。彼女はイギリス人なので、アメリカ人の発音ができるか気にしていたんですが、反対にアメリカの子供として育っていないところが、父親に捨てられた娘を演じるうえで効果的だった」と絶賛した。

今回、4年ぶりの来日になったオリバー監督は、日本について「とても美しい場所ですね。アメリカでは日本の経済が厳しいといわれていますが、そうは見えません。豊かな国に見えます」と印象を語った。【Movie Walker】

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