ひげモジャ&髪ボサ!西部劇で魅せる、ホアキン・フェニックスやジェイク・ギレンホールの渋み<写真20点>
ゴールドラッシュの時代を舞台に、欲望に目が眩んだ男たちの姿を描く『ゴールデン・リバー』(7月5日公開)。ハリウッド随一の実力派が集結したこの作品には、汚れまくった男たちの渋〜い姿が満載だ。
『ディーパンの闘い』 (15)でカンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝いたジャック・オーディアールが監督を務める本作。
最強の殺し屋として名を轟かす兄・イーライ(ジョン・C・ライリー)と弟・チャーリー(ホアキン・フェニックス)のシスターズ兄弟は、雇い主である提督から連絡係のモリス(ジェイク・ギレンホール)が追うウォーム(リズ・アーメッド)という化学者を始末するように命じられる。やがて、モリスがウォームを見つけだし、兄弟も2人と合流するが、砂金から黄金を見分ける化学式を編み出したというウォームの提案により、4人で黄金を山分けすることに。次第に4人は奇妙な友情を育んでいくが、やがて欲に目が眩み、それぞれが思惑を抱えていく…。
西部劇らしい渋いキャラクターも本作の魅力。暴力に支配された世界を嫌い、理想郷を作ろうとするウォームは、シルクハットを着用し、ヒゲを整えたりと化学者らしく知的で洗練され見た目に、人を惹きつけるカリスマ的な一面を持っているが、一方で残りの3人の男たちからは、いかにも荒くれ者といった男臭さが漂っている。
ホアキン・フェニックスが演じる兄弟の弟チャーリーは、裏社会でのし上がりたい野望に満ちており、酒に酔うと手に追えなくなるなど、凶暴なキャラクター。モジャモジャのヒゲをたくわえ、兄に整えてもらっている髪を後ろに撫で付けたヘアスタイルなど、いかにもワイルドな男といった色気と危なっかしいさがムンムンだ。そんな野生的な弟とは対照的なのが、ジョン・C・ライリー扮する兄・イーライ。熊のような大きな体に、日焼けで真っ赤になった肌、額に刻まれたシワに鋭い眼光など、薄汚れた姿はどこから見ても貫禄ありまくりだが、そんな見た目に反して実は心優しいロマンチストで、殺し屋を引退したいと考えているのだが…。
またジェイク・ギレンホールが演じる連絡係のモリスも伸びに伸びたヒゲとボリューミーな髪など、濃すぎて見ているだけでも暑苦しいが、ウォームの思想に魅せられるなど、どこか野蛮さからはかけ離れた雰囲気があり、ジェイクの思慮深さを感じさせる演技とも相まってハマり役となっている。
泥にまみれ、日に焼かれ、ヒゲは伸び放題な彼ら仲睦まじげにしている姿は、むさくるしさを忘れてしまうほど微笑ましいが、その先に待ち受けているものとは…。それぞれの個性と渋さを漂わせた名優たちの姿は必見だ!
文/トライワークス