私たち人類の知らぬ間に…東京は“カニの大群”に侵略されていた…!?
場所は東京、多摩川の干潟に生息するカニたちにスポットを当てた『蟹の惑星』が、7月13日より公開されている。都内の川に、そんなにたくさんカニが棲んでいるのかと疑問を抱く人も多いだろうが、意外にもこれが想像を超える数だったのだ…。
本作は、多摩川の河口に存在する10種類近くのカニが生息する干潟で、15年にわたって趣味の一環として、カニの生態を調べている吉田唯義さんにスポットを当てたドキュメンタリー。吉田氏と干潟をフィールドワークをしながら、カニの驚くべき営みの様子を映しだし、さらには小さなカニと宇宙との関係性(!)や、戦争や震災がもたらした現実問題などを描きだしていく。
潮が引いた狭い干潟のエリアを巣穴から飛び出してきたカニが埋め尽くしている、どこかゾッとしてしまうほど圧巻の光景など、こんなにものカニが都心にも棲んでいるのかと驚いてしまう本作。プロクサーと呼ばれる虫眼鏡のようなフィルターをレンズに装着したカメラで、カニ一匹一匹に限りなくクローズアップしていく。肉眼では決して捉えられないその姿は、迫力あるフォルムと美しい色彩で思わず見とれてしまうほど!
水の中から潜望鏡のように周囲をうかがうことができる甲羅に収納可能な長い目を持ったユニークな個体など、個性豊かなカニのルックスや、泥を口に運びパクパクと食べていく様子など、どこかかわいさすら覚えるようなシーンが満載。肉眼では確認できないような世界を写しており、貴重なカニたちの容姿や生態には、興味をそそられること間違いなしだ。
また同じく村上浩康監督が手掛けたドキュメンタリーで同日に公開された『東京干潟』でも、干潟にクローズアップ。現在の河口にはどのような生き物たちが棲んでいるのか?知られざるその姿を、ぜひ大画面で確認してみてほしい!
文/トライワークス