菅田将暉、初監督作品『クローバー』のお披露目に感無量「誰かの愛に変わりますように」
俳優の菅田将暉が7月10日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された初監督を務めたショートフィルム『クローバー』の特別上映会に出席。監督デビュー作がお披露目となり、「大事な思い出ができました。観てもらえてすごくうれしい」と感無量の面持ちを見せ、「今日だけじゃなく、僕らのいろいろな日々の活動が誰かの愛に変わりますようにという思いで作りました」と作品に込めた思いを明かした。
『クローバー』は、菅田のセカンドアルバム「LOVE」に収録される楽曲「クローバー」を主題歌としたショートフィルム。石崎ひゅーいが作詞・作曲した同曲のメッセージを、菅田が汲み取り、企画・プロデュースも自身で担った。構想から約半年を経て製作された47分に及ぶオリジナルストーリーで、仲野太賀が主演を務め、菅田も出演をしている。特別上映会には石崎、監督補佐の山田健人も出席した。
仲野が演じる会社員が友達と過ごしたり、買い物をしたりと、一人の男の日常を映し出した作品となっており、菅田は「僕らの周りも、割とこういう日々なんです。地味で小汚くて、特に事件も起こらない」とニッコリ。「でもちょっとした人との出会いや気づきによって、いつもとは違うやる気が入ったりする。そんなものを描きたかった」と日常のささやかな輝きを表現したかったという。
主演を仲野に任せた菅田だが、「役者として、同世代で一番好き。作品を観ていて、こいつすげえなって思う」と告白。セリフも少なく、平凡な日常を演じた仲野について「なにかに集中している人の横顔が好き。あいつの日々のいいところが撮れたような気がする」と監督としての自信ものぞかせつつ、「『今日俺』(今日から俺は!!)でワーッとやっている太賀もかっこいいけど、なにもしない太賀を見たいなと思った」と語っていた。
撮影当日はレコーディングが重なったこともあり、菅田は声を枯らしていたそう。菅田は「カンペで演出していた。筆談で」と裏話を語り、「ポイントで『どこかでこれをやって』『これを言って』と爆弾を渡しておいて。いつ放り投げるかは自由」と信頼する仲間が集っただけに、アドリブもふんだんに入れてもらったという。
最後には菅田と石崎で主題歌「クローバー」を生歌唱。ギターを抱えて心を込めて熱唱する2人に大きな拍手が上がり、山田も「すごいもの見たなという気がする。太賀の顔も浮かんできた」と感激しきり。菅田も「わかる!」と大きくうなずいていた。ショートフィルム『クローバー』は、アルバム「LOVE」の初回生産限定盤に収録されている。
取材・文/成田 おり枝