「大好きなあのキャラの幻を出したい」“悪魔の実の能力者”のゲスト声優に挑んだ指原莉乃の夢とは?
2019年、テレビアニメ放送20周年という大きな節目を迎えた「ONE PIECE」。それを記念して製作された劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」(8月9日公開)は、世界一の祭典“海賊万博”でのエピソードを描くオリジナルストーリー。イベントの目玉である“海賊王の遺したお宝”をねらって世界中から海賊が集結するほか、海軍や王下七武海、革命軍までもが登場。まさに、究極の“お祭り騒ぎムービー”なのだ!
今回、ゲスト声優として参加する指原莉乃が演じるのは、そんな大いに盛り上がる万博会場で司会進行のアシスタントを務める歌姫アン。イベントを盛り上げるキュートで元気いっぱいのキャラクターである。
「いままで演じる仕事に関わる機会があまりなかったので、オファーを受けた嬉しさの中にも不安やプレッシャーがありました。でも、映画館に来た人に『このキャラ、ゲスト声優?あー…』と思われるパターンだけは避けたかったので、普段の指原莉乃とは違う声で、ちゃんと演技をしようという気持ちで臨みました」
緊張して挑んだアフレコは機材トラブルで一時中断。空いた時間に自分の演じた声を聞いてみると……。
「声の演技も歌と同じで、自分が思っているよりも地味に聞こえるんですよ。このままでは(自分の声だけ)浮いちゃうと感じたので、気を付けて演じました。あと、大塚隆史監督からは『声を大きく、強く!』とアドバイスをいただいて。『ONE PIECE』はアニメの中でも特に大きく声を出す作品なんだそうです。自分はもともと声が大きい方なのでラッキーでした(笑)」
数か月前までは国民的アイドルグループ「HKT48」のメンバー兼劇場支配人として、海賊王ならぬ“アイドル王”に君臨していた指原。横浜スタジアムでの卒業公演では晴れやかな笑顔を見せていたが、映画の台本を読んである心残りに気付いたという。
「映画の冒頭で、海賊たちがひと組ずつ紹介されるシーンが好きです。最初に船長がドンッと出てくるんですけど、すごく華があってカッコよくて。私がまだHKTにいたらこの立場なのかなと考えたら、自分ももうちょっとカッコよくしていればよかったかなと反省しましたね。HKTでは別にキャプテンがいたし、後輩たちを信じて任せていたから自分がリーダーとして振る舞うことはなかったけど、大黒柱としてドンと構えられる人にもなってみたかったなって。たかみな(高橋みなみ)はそういうタイプでしたから。(「構えないという意味ではルフィに近いのでは?」という問いかけに)それ、めちゃめちゃうれしいじゃないですか!でも、自分は最後にキメられるタイプじゃないからなあ…。言葉だけありがたく受け取っておきます(笑)」
バラエティ番組のMCやゲストとして、いまやテレビで見ない日はないほどの多忙ぶり。しかし、タイトルにちなんで最近“STAMPEDE(熱狂)”したことを尋ねると、意外にもプライベートの充実ぶりが伝わってくる答えが返ってきた。
「先日、一人でラーメン屋に行ったんですよ。電車とバスを乗り継いで、40分くらい行列に並んで食べたんですけど、それが信じられないほど美味しくて!バラエティ番組でひと口だけ頂いた時からもう一度食べたいと思っていて、卒業したら絶対に行くって決めていたお店だったんです。Twitterでは、多くを語るまいと、あえてテキストなしで写真だけを載せたら、ファンの方もくみ取ってくれたようで(笑)。本当に美味しくて、思わず『えっ!?』と声が漏れたあの瞬間が一番“STAMPEDE”していたと思います」
「ONE PIECE」ファンを公言する彼女のイチオシキャラは、ハートの海賊団の船長で“最悪の世代”と呼ばれる海賊の一人、トラファルガー・ロー。学生時代に一目ぼれして以来「離れられなくなった」と笑う。
「外見のカッコよさと、ミステリアスな雰囲気に惹かれました。当時は妄想の中で彼と恋愛をしちゃうほど好きで。もしもアンの“ビジョビジョの実”の能力を持っていたら、とりあえずローの幻は出しておかないと(笑)。学生時代に戻って、当時の自分に夢を与えたいですね」
取材・文/ほそいちえ