フランスで社会現象を起こした『神々と男たち』の初日決定&受賞ラッシュ続く

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フランスで社会現象を起こした『神々と男たち』の初日決定&受賞ラッシュ続く

アルジェリアで起きたフランス人修道士の誘拐事件を描くグザヴィエ・ボーヴォワ監督の『神々と男たち』が、3月5日(土)より公開されることが決まった。

本作は、昨年のカンヌ国際映画祭でグランプリ受賞以降、続々と映画賞ノミネート、受賞ラッシュが続いている。フランスのアカデミー賞と呼ばれるセザール賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞をはじめ、10部門11ノミネートの最多ノミネート、イギリスアカデミー賞外国語映画賞ノミネート。また、米アカデミー賞の前哨戦の1つで、アメリカ国内で開催される映画祭のトップクラスのパームスプリングス国際映画祭では、国際批評家連盟賞年間最優秀外国語映画賞を受賞。第18回フランス映画トロフィーで作品賞を受賞。フランスの映画業界専門誌“Le film francais”が選出する映画祭、第18回フランス映画トロフィーで作品賞を受賞と、その勢いはまだまだ続きそうだ。フランスで公開後、4週連続で1位を獲得し、「○○と男たち」という言葉は、まるで流行語大賞のように多方面で引用され、社会現象にまでなった。

本作の見どころの1つとして音楽が上げられる。修道士の聖歌のシーンと象徴的なシーンで使用される「白鳥の湖」はまさに圧巻だ。本作の主演で、修道院長を演じるランベール・ウィルソンは、ハリウッド大作『マトリックス』シリーズに出演する一方で、アルバムを2枚発表する本物の歌手でもある。また、聖歌の指導にはパリ・オペラ座管弦楽団やヌイイ聖十字架合唱団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団などの指揮者を務め、多くのクラック合唱アルバムをリリース、自身も声楽家でもあるフランソワ・ポルガーが務めた。ランベール・ウィルソンは撮影を振り返り、「聖歌の練習は、我々共演者の気分を高め、一体感をもたらし、兄弟となるのに大いに役に立った」と語る。撮影現場では、撮影の準備が整うまでの間、共演者たちが自然と聖歌を歌い始めることも度々だったという。

日本でも経済危機で新たな価値観が見直されようとしている今、実話を基に宗教、国籍を超えた信念の強さと人間の尊厳を描く本作の公開が待ち遠しい。【Movie Walker】

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