アカデミー賞効果に異変!北米の興行収入に影響なし
毎年、アカデミー賞の受賞結果が発表された翌週末は、受賞作品の興行収入に大きな影響があり、特にインディーズ系の作品にその効果が顕著だと言われている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のデータによれば、作品賞を獲得した後の4週間は、受賞前の4週間と比較して、平均して1,700万ドルも多い興行収入が見込めるという。
しかし、今年に限ってはそのシナリオが成り立たなかったようだ。Box Office Mojoによれば、作品賞を受賞した『英国のスピーチ』(公開中)は、順位こそ前週と同じ8位のままだったが、興行収入は前週比で11%減となった。また作品賞は逃したものの、ナタリー・ポートマンが主演女優賞を受賞した『ブラック・スワン』(5月13日公開)も、クリスチャン・ベールとメリッサ・レオが助演男優賞と同女優賞を受賞した『ザ・ファイター』(3月26日公開)も、それぞれ前週比で23.8%減と29%減に落ちてしまった。
このような現象が起きた背景としては、今年は作品賞にノミネートされた10作品中、7作品の興行収入が授賞式の前に約1億ドル、もしくは1億ドルを突破するという珍しい現象が起きていたため、前評判をもとに受賞結果が出る前に多くの観客が作品を鑑賞済みだったことが理由として挙げられているが、それでも『英国王のスピーチ』に関しては、予想を下回る数字に収まったようだ。
なお長編ドキュメンタリー賞を受賞した『Inside Job』(日本公開未定)に関しては、53位から42位にランクアップし、興行収入も前週比で103.9%増と、アカデミー賞効果が顕著に現れた結果となった。【NY在住/JUNKO】
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