野水伊織インタビュー「自分で自分の可能性を決めすぎないことが大事だなって」
角川グループとAMGグループの強力タッグで誕生した声優事務所、プロダクション・エース。同事務所付属のレッスン機関である演技研究所では、東日本大震災の被害を考慮し、3月開催予定だったオーディションの中止を決定。その一方で、声優を目指す人たちに夢をあきらめてほしくないと、4月9日(土)、16日(土)の2回にわたって追加オーディションの開催を決定した。
今回は演技研究所出身で、まもなくクライマックスを迎えるテレビアニメ「これはゾンビですか?」でヒロインを務める野水伊織に、前回に引き続き出演秘話や現状について語ってもらった。
――テレビアニメ「これはゾンビですか?」では初めてハルナというヒロインを演じられています
「今まで演じてきたキャラクターはすごくからっとした感じの役が多かったんですけど、ハルナはボーイッシュですごくテンションの上がり下がりが激しい女の子。上がってる時はバーッと突っ走る感じで、何の興味も示さない時との差が激しいんです。最初はどこまでやれば良いのか加減がわからず、迷いながらやっているところがあったんです。でも“ここだっ!”と何となくつかめてしまったら、すごく自分の素に近いところがありました。つかめたきっかけは、早い段階でドラマCDを収録したんですよ。内容がアニメよりもフリーダムで、ハルナのギャグもすごく多く、一人でしゃべるシーンも多かったんです。音響監督さんに『そこをもっと自由にやっちゃって良いよ』って言われてふっ切れたと思うんですね(笑)。それがきっかけでアニメの方でもキャラクターをつかむことができたと思います。ハルナの声はどちらかというと普段の気取っていない、家での自分に近い気がします(笑)」
――では、野水伊織の“素”を見たければ、ハルナを見ろと(笑)
「はい。あんなに自由奔放だと思いたくないですが(笑)」
――「これはゾンビですか?」ではアーティスト“野水いおり”として、オープニング主題歌を歌っています
「はい。ありがたいことに『魔・カ・セ・テ Tonight』という曲を歌わせていただいています。昔から歌は好きだけどうまく歌えないっていうコンプレックスがあったんですが、ボイストレーニングの先生が『野水伊織が歌うことが大事なんだよ』って言ってくださったり、レコーディングで自分が今まで嫌いだった声を、『その声が良いんだよ』って制作スタッフの方々に言っていただいたことで、自分一人で考え込むのはよくないと実感しました。自分で自分の可能性を決めすぎないことが大事だなって、経験として学ぶことができましたね。これまでの現場を経て、自分を卑下しすぎてもダメだし、自信を持ちすぎるのもダメだし、自分を客観的に見ることが大事だなって。声優、表現者としてのスタートは、まわりの人と一緒に“自分ってどんな人?”を見つめることから始まるんじゃないかなって思います」
――なるほど。でも、なかなか自分ひとりだけで自己分析するのは難しいですよね
「そういう意味では、オーディションを受けることが、自分を見つめ直すきっかけになるんじゃないでしょうか。一歩踏み出してみると自分だけで悩んでいたことが、もっと違った見方ができると思います」
声優としてのレッスン経験が全くないままプロダクション・エース演技研究所に入所し、レッスンを続けながらわずか半年後にテレビアニメ「そらのおとしもの」のメインキャラに抜擢。その後、初ヒロインとなるテレビアニメ「これはゾンビですか?」に出演。シンデレラストーリーを歩む野水伊織を生んだ声優オーディションはまだまだ応募受付中! 詳細はプロダクション・エースの公式サイトにアクセス!【Movie Walker】