チャン・ツィイーがTIFFを絶賛!「すばらしい作品を上映することが、映画祭の影響力をより高める」と持論を展開

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チャン・ツィイーがTIFFを絶賛!「すばらしい作品を上映することが、映画祭の影響力をより高める」と持論を展開

10月29日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、第32回東京国際映画祭のコンペ審査委員記者会見が開催。同祭コンペティション部門国際審査委員長を務める女優のチャン・ツィイーが出席し、この映画祭について「ひじょうにオープンですばらしい国際映画祭」と評した。

第32回東京国際映画祭のコンペ審査委員記者会見が開催された
第32回東京国際映画祭のコンペ審査委員記者会見が開催された

チャン・ツィイーは「これまで日本では、『初恋のきた道』や『グリーン・デスティニー』、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』などのプロモーションで皆さんにお会いしてきたんですけど、こうしてまた皆さんのお目にかかれたことをこの場をお借りしてお礼したいです」と挨拶。

取材陣から「この映画祭にどんな印象を持っているか」と聞かれると、「中国映画もたくさんのすばらしい賞をいただいた映画祭。実はチャン・イーモウ監督が主演男優賞(『古井戸』)をもらったこともあるんですよ。非常にオープンですばらしい国際映画祭です」と好印象を持っていることを打ち明け、「今年は14本のコンペティション作品がありますが、例えばスぺインとフランス、フランスとグアテマラ共和国の合作などもあり、多種多様なものがそろっているんです。それはとてもおもしろいこと。コンペティション作品は、それぞれの地域の文化が反映されたものが選ばれています」と解説した。

また、審査員の立場で参加することについては「ラッキーなのは、映画制作者やクリエイターと面識がなくても、立場やメンツを排除して会えること」と笑顔でコメント。「もちろん公正な立場で審査します」と、審査委員長としてフェアな精神で取り組むことを誓った。さらに、取材陣からはアジアの国際映画祭の中での影響力を危惧し、「最近、アジアの国際映画祭のなかでも、東京国際映画祭の価値は下がってきているのではないか」「価値をどうやって高めていけばよいと思うか?」との質問が。するとツィイーは「それは記者の杞憂ではないでしょうか」と回答。

「私にとっては“素晴らしい作品が上映されている”のが素晴らしい映画祭。すばらしい作品を上映することが、映画祭の影響力をより高める手段だと思う。例えば、韓国映画『パラサイト半地下の家族』は、第72回カンヌ国際映画祭の最高賞となるパルムドールに輝き、映画関係者だけでなく、アジアのみんなが議論しましたし、是枝裕和監督のパルムドール作品『万引き家族』もそうでした。映画がよければ、観客の皆さんもその話をするようになるんです」と、世界的な映画祭の特徴を例に出し、東京国際映画祭の魅力も訴えていた。

取材・文/平井 あゆみ

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