アメコミヒーローの重要人物がこの夏、神の国からやって来る!
昨年公開された『アイアンマン2』(10)のラストに不可思議なシーンが挿入されていた。どこからか飛来した物体が落下したクレーターにあったのは謎のハンマー状のものだった。これは、アメコミに詳しい人なら既におわかりのスーパーヒーロー、ソーの武器であるムジョルニアだったのだ。そんなラストシーンからつながるかのように、7月2日(土)にそのソーを主人公にした『マイティ・ソー』(全米公開中)が公開となる。
強大な力を持ちながらも傲慢な態度が平和を乱すと、王である父親に力を封印され、神の国から地球へ追放されたソーの活躍を描くストーリーで、『スター・トレック』(09)でカークの父を演じたがクリス・ヘムズワースがソーを演じる。ソーと出会うヒロインをナタリー・ポートマン、ソーの父オーディンをアンソニー・ホプキンスが演じるなど、豪華キャストが顔をそろえる。
だが、日本人として注目したいのがソーの部下、ホーガンを演じる浅野忠信だろう。アメコミに日本人俳優と言えば、『バットマン ビギンズ』(05)でブルース・ウェインを導くことになるラーズ・アル・グールを渡辺謙が演じ、その後『インセプション』(10)に出演するなど、クリストファー・ノーラン監督作品に欠かせない俳優となったように、本作での浅野のハリウッド評価が気になるところだ。
監督は、アカデミー賞候補となった『ヘンリー五世』(89)や『ハムレット』(96)など、シェイクスピア作品でおなじみのケネス・ブラナー。SFとは最も縁遠い人と思われていただけに、彼が神話をベースにした異色のアメコミをどのように映像化するかにも注目だ。ちなみにこのソーは、前述のアイアンマンとキャプテン・アメリカ(『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』として10月公開予定)と共にスーパーヒーローユニット、アベンジャーズを結成するアメコミ界における重要人物。劇中でも今後への伏線が期待される。【トライワークス】