劇場版『G-レコ』第1部舞台挨拶で、女性キャスト陣の赤裸々トークに富野総監督も爆笑!
富野由悠季が総監督を務める劇場版『Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」の上映2週目舞台挨拶「女の力Day」が29日、新宿ピカデリーにて行われ、アイーダ・スルガン役の嶋村侑、ノレド・ナグ役の寿美菜子、マニィ・アンバサダ役の高垣彩陽ら主要女性キャストと富野由悠季が登壇。盛り上がる女性キャスト陣のトークに、富野監督が涙を流すほど爆笑するという稀有な姿を見せた。
地球上のエネルギー源フォトン・バッテリーを宇宙よりもたらすキャピタル・タワーを護るキャピタル・ガードの候補生ベルリ・ゼナムは、初めての実習で宇宙海賊の襲撃に遭遇。捕まった少女アイーダに不思議ななにかを感じながら、なぜか彼女がG-セルフと呼ぶ限られた人間にしか動かせないはずの高性能モビルスーツを起動させることができてしまうベルリ。宇宙世紀終焉後の時代、少年少女の冒険は世界の真相に直進する…。
2014年に放映されたアニメシリーズ『ガンダム Gのレコンギスタ』に新規カットを追加した劇場版5部作の第1弾となる本作。この日の舞台挨拶では、“富野監督応援うちわ”を手に富野を舞台へと呼び込んだ女性キャスト陣。今回が『G-レコ』初の舞台挨拶となった寿は、「『G-レコ』という作品がここまで歩んでこられたこと、劇場で皆さんとお会いできることをとってもとってもうれしく思います」と挨拶。同じく初舞台挨拶となった高垣も、「劇場版第1部を収録してから2~3年経っているので、この日が迎えられて良かった、ここからがスタートだなとうれしく思っています。ダジャレがすごく好きなので、私も好きなマニィのセリフ『女の力でーー!』をもじった今日のイベントも楽しみにしてきました」と意気込みを見せた。
富野作品の女性を演じる上でこだわった所、難しかった所はという質問に対して「そんなものあるわけがない!(笑)それなりに性格を調べさせてもらった上でキャスティングしています。"まんま"で演じていただければいい」と話す富野監督。いっぽうで当人の高垣は「オーディションの時、富野監督が『今日は芝居をしないで、一切作らないで、あなたのままでやってみてください』と。ナチュラルな演技が一番難しいというか、なにが正解なのかわからないなと思っていた時期でもあり、自分なりに芝居をしないでやってみたんです。そうしたら『しなくていいって言ったけど、少しはしてくれよ!』と言われました(笑)」と告白。寿も「アフレコが始まってからも、自分らしさとノレドの無邪気さをいかに近づけつつ、いかに(キャラクターに)飛び込んでいけるかが『G-レコ』のアフレコ現場では大事でした」と吐露した。
さらに劇中で、コックピット内で用を足す際に独特の音楽が流れることから、自分がパイロットだったらどんな音楽を流したいかという話になり、MCが「自分だったら早くトイレから出たいので、ロック調の曲をかけたい」と明かすいっぽうで、富野は「僕はトイレになるべく長くいたい。一番本が読める場所だから。だからロックは勘弁して欲しい(笑)」と話し、高垣も「私もリラックスしたいかな。クラシックとか。でもモビルスーツのコックピットだったら、戦っている最中かもしれないから、戦いへのテンションを上げるためにロックとかもいいかもしれない」と明かし、モビルスーツのトイレBGM談義で盛り上がる女性陣に対して爆笑する富野総監督。「私は歯磨きのシーンも好き。日常的でちょっとした生活感があって大好き」と嶋村も明かすと、富野も「褒めてくれていると思いますのでうれしいです。笑いすぎて泣けてきました」と笑顔で語った。
また2020年2月21日(金)には第2部の公開が控えている本シリーズ。寿は「パンフレットとかにも秘話が書かれておりますが、新規カットだったり、こういう解釈なのかとか『G-レコ』をより深めていける時間が始まっていくと思います」とメッセージ。続いて高垣も「人の葛藤や悲しみ、希望がより一層深く描かれていると思いますので、ぜひ第2部もお楽しみください。個人的に楽しみなのは、ドリカム(DREAMS COME TRUE)さんのテーマソングなんですが、ぜひ上映を待っていてください」と呼びかけた。
さらに嶋村も「『Gのレコンギスタ』って本当に映画館向きの作品だったんだなと実感しています。映画館というベストな状態で、こんなにたくさんの方々に見ていただいているという事実を目の前にして、本当に本当に嬉しく思っています」と吐露。富野も「今しがた御三方が上手に説明してくれたので、ぼくがこれ以上言う言葉はありません。ただ第5部まで作り続けていきたいと思いますし、皆さんの応援がなければ制作が続行できませんので、今後ともよろしくどうぞお願い致します」とファンへ呼びかけ、舞台挨拶を締めくくった。
文/富塚 沙羅