岡村隆史が選ぶ今年の漢字は“闇”。「僕がこれをいじるのも最後です!」
冬の風物詩としてこれまで幾度となく映像化され、多くの日本人から親しまれてきた「忠臣蔵」の物語を、“討ち入り予算”というまったく新しい視点から描いた『決算!忠臣蔵』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が11日、新宿ピカデリーにて開催。ダブル主演を務めた堤真一と岡村隆史、メガホンをとった中村義洋監督が登壇し、2019年を振り返りながら自身にとっての“今年の漢字”を発表した。
歴史学者の山本博文の著書「『忠臣蔵』の決算書」を原作にした本作の舞台は、いまから約300年前。赤穂藩の藩主である浅野内匠頭が幕府の重臣・吉良上野介に斬りかかり、藩は取り潰しに。筆頭家老の大石内蔵助は、それを嘆く暇もなく、浅野家復興を願いながら幼なじみの勘定方・矢頭長助の助けを借りて残務整理に励んでいた。浪人となった藩士たちに残された唯一の希望は、宿敵である吉良邸への討ち入り。しかし決行を迷っているうちに、討ち入りに使える予算はどんどん減ってしまい…。
11月22日に公開された本作は、初週末の動員ランキングで『アナと雪の女王2』(公開中)に次ぐ第2位を獲得。公開から20日間で観客動員70万人、興行収入8億6000万円を突破している。堤や岡村にもこの大ヒットの反響は届いているようで、堤は「観てくれた友人たちからは『こんな忠臣蔵初めて見た!』というメールが多い」と明かし、岡村も「普段テレビを見てもなにも言ってくれない母親が、初めておもしろいと言ってくれました」と嬉しそうに語った。
トークセッションでは劇中で何度も登場する「なんでやねん!」という台詞にかけて、撮影からこれまでの間で感じた「なんでやねん!」と言いたいエピソードをあげていくことに。堤は「岡村くんは映画の中では非常に抑えた演技をしてくれて、いままで見たことのない岡村隆史だったと思います」と褒めながら「でも普段もめっちゃ声ちっちゃいんですよ!食事に初めて行った時も来たくなかったのかなって心配になりました」と明かす。
それに対し岡村は「仕事の時は声を張るんですけど、終わるとスイッチ切ってしまうところがありまして…」と説明。そして「僕の中では聞こえてると思う大きさで言ってるつもりなんですけどね。今度からは声を張っていこうと思います」と語りながら「もしかすると、役に入っていたのかもしれません」とドヤ顔。すかさず堤は「それはないな!」とツッコミ。一方で岡村は、ほかのキャストたちが舞台挨拶などの場で堤との撮影中のエピソードを語っても、堤本人がまったく覚えていないという衝撃の事実を明かし、堤は「ちょっとボケ始めてるのかもしれない」と照れ笑いを浮かべていた。
そして3人は今年1年を振り返る“今年の漢字”を発表。岡村は「すべてはここから始まった。これしかありません」と、「闇」と書かれたフリップを掲げ、今年吉本興業の芸人たちを揺るがした闇営業問題に言及。「芸人の間では“直”と言っていましたけど、全部ここから始まったと思っています。来年からはいろいろなことがまとまってきて、会社も新しくなると思うので、僕がこれをいじるのもこれが最後です。最後の“闇”です!」と神妙な面持ちながら笑いを誘う。そして「来年は明るく、皆さんを笑顔にしていきたいと思います!」と力強く意気込みを語った。
取材・文/久保田 和馬