水谷豊『愛しの座敷わらし』で29年ぶり単独映画主演が決定!

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水谷豊『愛しの座敷わらし』で29年ぶり単独映画主演が決定!

朝日新聞で2007年1月から11月まで連載され、単行本としても発売、第139回直木賞候補に選出された荻原浩の同名作品『愛しの座敷わらし』が水谷豊主演で映画化されることになった。

『逃がれの街』(83)以来、29年ぶりに純粋な映画企画での主演となる水谷(『相棒 劇場版II 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜』は及川光博とのW主演、ドラマ企画から人気を博しての映画化)。離れつつある家族を結びつけようと、必死に行動する平凡な父親を劇中で演じる。出演の決め手を「『相棒』を中心にこの10年あまりを過ごしてきていますが、『相棒』とは全く違う世界観の作品をそろそろやってみたいと思っていました」と、心境の変化を語った。

今回の映画化について、原作者の荻原は「晴れがましくて、ほっとして、少し気がかりで、娘が嫁に行く気分です」と、何とももどかしい気持ちを抱いているようだ。原作に目を通した水谷は、「荻原さんのキャラクター作りは実に巧みで、僕はこの本を読んでいる間、常に登場する誰かになっていました。それは(自分が演じる)主人公の晃一に限らず、どの登場人物も演じられるほどです。読み終わって感じたものは、まるで清々しい風でした。幸せとはこういうことなのかと思わせる」とコメントしている。

本作のメガホンを取るのは、『相棒』シリーズのメイン監督であり、劇場版2作品を指揮した和泉聖治。『相棒』シリーズに続いて、和泉監督とタッグを組む水谷は、「和泉監督は、芸術、文学、音楽など、どのジャンルもエンターテインメントにしてくれる監督なので、とても楽しみです」と和泉監督に期待を寄せ、一方の和泉監督は「『相棒』の水谷豊さんと10年間、作品に取り組んできましたが、時折話し合うと、いつも映画への思いが明確に重なることを感じていました。今までもそうであったように、今回も作品にお互いの情熱をぶつけあって、感動作に仕上げたいと思います」と意気込んでいる。

“家族の再生”がテーマの本作に和泉監督は「今、こういう優しくて温かい映画がなくてはならないという気持ちでいます。“家族の再生と希望”は、私が今まで映画にした“お日柄もよくご愁傷様”や“大安仏滅”とも重なるテーマであります」と、本作に込められたメッセージを伝えた。本作のクランクインを前にし、水谷は「岩手県が舞台の作品です。目に見えない幸せがテーマですが、幸せが全国に届きますように。そんな気持ちで取り組みたいと思っています」と語る。荻原は「あれこれ楽しんでもらって、終わった後には小さなお土産を手渡せるという物語を目指して書いたので、そんな映画になってほしい」と、完成を心待ちにしている。6、7月に撮影が行われる本作は、2012年GWの公開を予定している。【Movie Walker】

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