「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」の故・飯田馬之介監督が遺作に込めたメッセージとは?
生まれもった力を抑えきれずに“ベスティア”と呼ばれる化け物へと変貌し暴走する少年少女たちと、彼らを捕獲し排除しようとする秘密組織オールドー。しかし、オールドーのクーストースと呼ばれる兵士たちも機械化されたサイボーグだった。
そんな悲しき運命を背負った異端者どうしの戦いが繰り広げられる新作アニメ『トワノクオン』は、古くは『超人ロック』(84)や『地球へ...』(80)、最近だと「とある魔術の禁書目録」や『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(6月11日公開)など、SF作品の中でも定番の超能力ものにカテゴライズされる一本だ。
『トワノクオン』は近年多くなった『空の境界』シリーズ(07~10)や『劇場版 ブレイクブレイド』シリーズ(10)のように、60分前後の作品を連作として劇場上映する全6章からなる壮大なストーリーで、その第1弾『トワノクオン 第1章 泡沫の花弁』が6月18日(土)から公開となる。
本作を手がけたのは、惜しくも昨年11月26日に亡くなった飯田馬之介。「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」などで監督を務め、月刊ガンダムエースでは「機動戦士ガンダム 第08MS小隊 U.C.0079+α」を自ら執筆するなど、多才なクリエーターとして知られた人物だ。そんな飯田監督と旧知の仲である「ストラトス・フォー」のもりたけし監督がその遺志を継いで完成させた力作だ。
「好きなことがしたい」「違った自分になりたい」。そんな願いを叶えられる力に目覚めてしまったがために、苦悩することになる少年少女の姿は、前述したような作品でも描かれてきた超能力ものにおける普遍的なテーマといえる。だが、単なる超能力ものに終わらない本作の中で飯田監督が病床で最後まで取り組み、言いたかったこととは何なのだろうか? 彼の残した思いやメッセージを是非劇場で確認してほしい。【トライワークス】