『ブラック・スワン』に続き、巨匠の監修で伝説のバレエ映画が鮮やかによみがえる
ナタリー・ポートマンのアカデミー賞主演女優賞受賞で注目を集めた『ブラック・スワン』(公開中)はバレエを題材にした作品だが、そんなバレエ映画の原点にして金字塔と評される1948年製作の映画『赤い靴』が、このたびデジタルリマスターを施され、7月2日(土)より公開される。
バレエか恋かの二者択一を迫られ苦悩するバレエダンサーの悲劇を描いた本作は、当時まだ珍しかったカラー映像の美しさや、英国バレエ界総出の本格的なバレエシーンなどが高く評価された作品だ。1950年の日本初公開当時も大ヒットを記録し、空前のクラシックバレエブームまで起こったというから、リマスター版の公開を喜ぶ往年のファンも多いことだろう。もちろん未見の方も『ブラック・スワン』のバレエシーンに魅了されたなら、その原点とも呼べる本作に衝撃を受けるはずだ。
リマスター版を監修したのは、『タクシードライバー』(76)の巨匠マーティン・スコセッシ監督。これまでにもスコセッシは『赤い靴』に対するリスペクトをたびたび公言していたが、彼が二年の歳月をかけてまで完成させただけあって、とても60年前の映画とは思えないほどの美しさに仕上がっている。ちょうど二年前のカンヌ映画祭で世界初公開されていながらも、今日まで一般の劇場で目にする機会がなかった本作。巨匠の愛で鮮やかに生まれ変わった名画を、是非劇場の大スクリーンでご覧いただきたい。【トライワークス】
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