是枝裕和、入江悠、白石和彌ら多くの映画人が呼びかけ「ミニシアターを救え!」プロジェクトが発足
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の自粛要請を受け、映画館の上映自粛が広まるなか、大きな打撃を受けている小規模映画館(ミニシアター)を救うため、そして「映画」を人々に届ける文化芸術拠点の維持のため「#SaveTheCinema 『ミニシアターを救え!』プロジェクト」が発足。映画監督や俳優ら有志の呼びかけ人と賛同者により、政府に緊急支援を求める要望書が作成された。
また同時に、オンライン署名サイト「Change.Org」での賛同者の募集や、映画監督の濱口竜介と深田晃司が発起人となって準備が進められているミニシアター支援を行うクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」と連携するなど、様々な施策を断続的に実施することで、現在の困難な状況を打開すべく活動していくとのこと。
日本と同様に新型コロナウイルスの影響で芸術文化が脅かされている国々はほかにもある。ドイツでは影響を受けた芸術文化を担う中小企業やアーティストに対して「生命維持に必要不可欠な存在」と位置づけ、大規模なサポートを確約。またアメリカでも米国芸術基金が非営利の芸術団体を支援することを目的に、運営費に充当できる助成金を用意。イギリスでも文化芸術に関与する個人や組織の保護を目的にした緊急資金を提供することが発表されているなど、世界各国でその支援の動きが着実に進められている。
しかし、長年文化芸術が軽んじられてきた日本では自己責任論に縛られたまま、映画館や上映事業者に運営か休業かの決断を迫るだけでなく、具体的かつ抜本的な経済的補償の目処すら立てられていない。現状のまま緊急事態宣言が出されることとなれば、多くのミニシアターが閉館せざるを得ない状況に追い込まれると危惧されているのである。
映画は人に観てもらって初めて完成する。そういう意味で、映画館は映画と観客を結ぶ架け橋であり、映画という表現の最前線でもある。これまで長年にわたって守られつづけ、そして多くの人たちに希望を与えてきた映画の灯が消えることのないよう、映画を愛するすべての人々にこのプロジェクトに賛同してほしい。
#SaveTheCinema 「ミニシアターを救え!」プロジェクトの詳細は、公式Twitter(https://twitter.com/save_the_cinema)などで確認できる。4月13日(月)からは、モーションギャラリー(https://motion-gallery.net/)にてクラウドファンディングもスタートする予定だ。