実写映画版『ザ・キング・オブ・ファイターズ』の強烈なインパクトに度肝を抜かれる
ジャン・クロード=ヴァン・ダムやカイリー・ミノーグなど、超豪華キャストで映画化された『ストリートファイター』(94)を皮切りに、数多く製作されてきた日本生まれの格闘ゲーム原作映画。その後も『DOA デッド・オア・アライブ』(06)、『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』(09)、『TEKKEN』(09)など、次々と映画化されるなか、遂に真打ちともいえる『ザ・キング・オブ・ファイターズ』実写映画版が7月2日(土)に公開される。
「ザ・キング・オブ・ファイターズ」といえば、草薙京と八神庵の宿命の対決や、不知火舞ら美少女ファイターのセクシーコスチュームで今なお根強い人気を誇るタイトル。ただ、ある意味“超人どうしのバトルロワイヤル”でもある格闘ゲームの世界観を実写映画で表現することが至難の業だという事実は、前述の作品群を見れば一目瞭然だろう。そのため、製作者サイドは様々な工夫を凝らしており、強烈なインパクトを放つ改変が各所に見受けられるのだ。
本作もその例に漏れず、くノ一・不知火舞を『ミッション:インポッシブル3』(06)にも出演したマギー・Qが扮し、原作ゲームキャラにはなかった大人の魅力を振りまいているものの、その一方で、日本人青年の草薙京をなぜかアメリカ人俳優ショーン・ファリスが演じていたり、赤い髪がトレードマークの八神庵役のウィル・ユン・リーが黒髪だったりと、ゲームのキャラクターそのままとはいかない部分も多々あるうえ、各キャラクターが繰り出す過剰ともいえる必殺技の表現は、スタッフ陣が相当頭を悩ませたことがうかがえる仕上がりに。
とはいえ、ボスキャラのルガール・バーンシュタインを『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』のダース・モール役で全世界に衝撃を与えたレイ・パークが演じ、さすがとしか言いようのないアクションを披露するなど、新鮮な驚きも散りばめられている。原作ゲームをプレイしたことのある人だけでなく、初めてKOFの世界に触れる人も、スタッフ&キャスト渾身のアクションに度肝を抜かれることだろう。【トライワークス】