マーク・ラファロ、ハルク単独映画の構想を語る「すべての空白を埋めたらおもしろいと思う」
2008年の『アイアンマン』からはじまり、昨年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』で10年以上の歴史に大きな一区切りをつけたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。シリーズを通して、アベンジャーズの主要メンバーである超人ハルク(ブルース・バナー博士)を演じたマーク・ラファロが、「Variety」のインタビューでハルクの未来について語った。
ラファロは、今後の「アベンジャーズ」続編やスピンオフ作品で再度ブルース・バナーとハルクを演じたいと考えているそうで「Disney+のドラマ『She-Hulk』にバナーが登場するという話があります。ほかにもなにかいい機会が出てきたらおもしろいですね。いまはそれくらいです」と出演を示唆した。
過去にハルクを演じたエドワード・ノートン(『インクレディブル・ハルク』)やエリック・バナ(『ハルク』)がそうしたように、ラファロも自身の“ハルク”を独立した映画としたいようだが、いまのところその機会には恵まれていない。「本当におもしろくなりそうなアイデアがあるんです」とラファロは話す。「私たちはこれまで彼の人生を追ったことがない。彼はいつも脇に隠れている、アベンジャーズにおける“ローゼンクランツとギルデンスターン”(編集部注:ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ハムレット」に登場する主人公の幼なじみ2人)のようなものです。『アベンジャーズ』シリーズの映画の間に彼になにがあったのか、すべての空白を埋めたらおもしろいと思う」
ヒーロー映画でハルク役を演じることは、『キッズ・オールライト』(10)などのヒューマンドラマに出演して名を馳せたラファロにとっては新境地だった。ジョス・ウェドン監督と共演者のロバート・ダウニー・Jr.から『アベンジャーズ』(12)への出演を打診された際には、技術的なハードルの高さから、この役を辞退しかけたという。
「私をキャスティングしないように説得した」とラファロは振り返る。「適任かどうか分からないしこんな事はした事がない、と伝えたが、ジョスとロバートは、私にはできると強く説得してきた。当初は本当に怖かったし、いまでも怖い。技術的な面は難しく、いつも苦労させられます。でも、私のモットーは、恐怖を味方につけること。恐怖を感じたり挑戦的である環境に自分を追い込み続けることです」。ラファロは子どものころから漫画が好きで、“X-Men”と“ウルヴァリン”を読んで育ったことも役に立った。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17)のタイカ・ワイティティ監督は、ラファロがハルクをCGI化するために必要なグリーンスクリーンの作業をすべて自分自身で演じると主張したことを語っている。「彼はハルクがなにをどんな風に言うかについてこだわりを持っていた」。「人々は『CGIのキャラクターなのに、なぜわざわざ俳優が動くの?』と思う。でも彼はモーションキャプチャーにこだわっていた。ピンポン玉のような装置を頭に乗せたバカげたパジャマを着ながら、すべて彼が動いたんだ」
同作でラファロは、ハルクが、心優しい科学者であるバナーを、どのようにしてハルク自身に融和させたのかを探ることに熱中した。「彼は、ハルクが主導権を握っている時も、バナーが内側に潜んでいることを表現したかったんだ」とワイティティ監督は明かす。
ディズニー/マーベルがフォックスを買収し“X-Men”映画の権利を手に入れたいま、ラファロは「もしかしたら、ハルクとウルヴァリンが共演できるかもしれない」と、夢の未来を描いた。また新しいステージへと向かうMCUでハルクはどんな姿を見せてくれるのか、今後の物語にも期待が寄せられる。
文/編集部