桜庭ななみらをキャストに迎え「.hack」3D CGアニメが劇場公開決定
2002年にプロジェクトがスタートして以来、ゲーム、コミック、アニメ、小説、ラジオ番組など、様々な分野でメディアミックスを繰り返し、熱烈なファンを増やし続けている「.hack(ドットハック)」シリーズ。そんな人気コンテンツが、このたび新プロジェクトとして劇場用3D CGアニメーションを製作することを発表! その製作発表会が8月23日、秋葉原UDXシアターにて開催され、メインキャストを務める桜庭ななみ、松坂桃李、田中圭と、松山洋監督ら制作陣が集結。作品序盤の先行上映やトークセッションなどのイベントを行った。
そもそも「.hack」シリーズとは、“The World”という架空のネットワークゲームを軸に、何人もの登場人物や異なる世界が複雑に絡み合っていく様を描いた壮大な物語で、今回の3D CGアニメーションは、ゲームの世界と現実世界を行き来しながら、奇妙な人間関係を築いていく3人の男女を追ったアクション&ラブロマンスムービーとなっている。
松山監督をはじめ、脚本の伊藤和典、製作総指揮の鵜之澤伸、プロデューサーの三戸亮ら制作陣によるトークセッションでは「よく『インターネットに不備が起こり、大都市がパニックになる』といった内容の作品を見かけますが、現実世界でそういった問題が起こると、それは一部の都市だけじゃなくて、地方に住んでいても大変な事件になると思ったんです。そこから『物語の舞台は近未来の福岡にしよう』というアイデアを思いつきました」と企画立案時の裏話が語られた。また「本作は10年も続いている長編シリーズだけど、全然知らない人でも前情報なしで楽しめる作品を目指して、開発に取り組みました」と、敷居の低い作品であることも明かした。
続いて、キャスト陣によるトークセッションが始まり、アフレコ時の苦労話を聞かれた桜庭は、「『サマーウォーズ』(09)でアフレコの経験はあったんですけど、やっぱり大変でしたね。しかも今回はCGで描かれているので、コンマ1秒単位で口を合わせないといけなくて。感覚をつかむまで、何度もやり直しになりました」と答え、自身が演じたキャラクターについては、「設定資料を見てみたら、私と似ているところがいっぱいあって驚きました。好きな色やよく行くお店、あと、あまりゲームはやらないところとかも(笑)。細かいところまでしっかりと作り込まれた人物だと、やっぱり演じていて楽しいですね」と語った。
また、松坂は「僕はどちらかというと明るい性格なんですけど、劇中ではクールなキャラを演じることになりまして。なので、普段よりテンションを下げて感情を表現するのに苦労しました」と、アフレコ初挑戦ならではの苦労話を語り、田中は「実写だと、相手の目を見て話すことで気持ちを届けることができるんだけど、アニメだとその距離感がなかなかつかめなくて、最初は苦労しました。でもその感覚がわかってからは、楽しみながら演技に集中することができました」と、独自の方法でアフレコに挑んだことを明かしてくれた。
ゲーム業界のクリエイターが集結し、既存の3D映画とは一味違う作品を目指して制作されたという3D CGアニメーション『.hack』。松山監督も「見終わった後、幸せな気持ちになれる映画、をテーマに、ただいま鋭意制作中です。どうぞご期待下さい!」と語る渾身作の完成を、今から楽しみに待っておこう。本作の公開は2012年1月を予定している。【六壁露伴/Movie Walker】