アメリカ同時多発テロから10年、ガガ、デ・ニーロたちはその時どこに?
アメリカ同時多発テロ(2001年9月11日)から10年という月日が流れた2011年9月11日、テロリストの攻撃を受けて崩壊したニューヨークの二棟の世界貿易センタービル跡地や、ワシントンのペンタゴン、乗っ取られた飛行機が墜落したペンシルベニア州で、10周年の追悼セレモニーが行われた。
故人らを偲ぶツインタワー跡地での式典には、日本人も含む約3000人の犠牲者の家族や関係者のほか、当時のジョージ・W・ブッシュ元アメリカ大統領夫妻やオバマ現大統領夫妻、そして当時現場で陣頭指揮に当たったジュリアーニ元ニューヨーク市長、ブルームバーグ現ニューヨーク市長などが出席。数日前には信頼できる情報として新たなテロ予告もあったため、異例の厳戒態勢の中で行われた。
決して忘れることができないこの日、当時の様子や犠牲者を偲んで、各テレビ局がこぞって特番を組んだが、大きな衝撃を受けたのは、ニューヨーカーやアメリカの一般市民だけでなくセレブたちも同じだ。特に、犠牲者になっていたかもしれないセレブや、その場を目の当たりにしたセレブたちが10年経った今、それぞれの思いを各メディアが報じている。
ニューヨーク・マガジンによれば、ポール・マッカートニーは、「ロンドンに戻るため、ニューヨークのJFK空港で飛行機に乗っていましたが、突然パイロットから『離陸できません』というアナウンスがありました。その後、飛行機の窓の右側にツインタワーが見えましたが、そのうち一棟が煙と化し、その後、二棟目も同じ状態になるのを目の当たりにしました」と当時の光景を語っている。
またニューヨーク在住で、甚大な被害を受けたマンハッタンのダウンタウンを活気付けようとトライベッカ映画際を立ち上げたロバート・デ・ニーロは、「約束を終えて、ミッドタウンからツインタワーのあるダウンタウンに向っているところでした。人々がフィフスアヴェニューの左側に立ちすくんでいて、辺りは異様な静けさに包まれていましたが、その後、貿易センタービルの近くに住んでいる息子から電話をもらい、とにかく家に向いました。家路に向う途中、そして家の窓から一部始終が見えた」そうで、信じられないような光景は今でもしっかり脳裏に焼きついているという。
またWENN.COMによれば、レディー・ガガは米テレビMTVの特番“Inside the Outside”で、「友達と手を握り合いながら、学校の屋上からツインタワーが崩壊する有り様を目撃したのよ。私がマンハッタンに抱く親近感は、きっと皆が夫に抱くような感情だわ。私の歌の全てはマンハッタンに何らかの関わりがあるけれど、アルバム“Born This Way”の中の“Marry The Night”はまさにマンハッタンを歌ったものなの」とコメントしている。
また、マーク・ウォールバーグは米CBSテレビの特番“Ten Years Later”で、「僕はこの日、(ユナイテッド航空175便で、9時3分に南棟に突撃した二機目の飛行機)ボストン発ロサンゼルス行きのフライトを予約してたんだ。でも、トロント映画祭に出席しているトロント在住の友達に会いにいくことにしてプライベートジェットでトロントに行ったからキャンセルしたんだ」そうだ。予定を変えなければ、マークは飛行機のタワーに激突していたことになる。
また『イングロリアス・バスターズ』(09)などを製作しているワインスタイン・カンパニーのオーナー、ハーヴェイ・ワインスタインは、「この日は、ツインタワーから6ブロックしか離れていないオフィスでスパイク・リー監督らと9時からミーティングをする予定だったが、10時半にずらしたため、もちろんミーティングどころではなくなった」そうだが、予定をずらしていなかったら、倒壊したビルの犠牲になっていた可能性もあるという。
たとえアメリカ国民ではなかったとしても、現場から遠隔地に住んでいても、この場所で起こった出来事は、決して他人事ではなかった多くのセレブたち。テレビで一部始終を見ていたというマット・デイモンが、「この悲しい出来事は、一生過去のものにはならないだろう。自分たちの一部として一生存在し続ける」と語っている通り、今もこの出来事を厳粛に受け止め、被害を受けた人々、そして人命救助のために勇敢に闘った警官や消防隊員に、追悼の意と敬意を表している。【NY在住/JUNKO】