『とある飛空士への追憶』神木隆之介&竹富聖花「主人公たちの切ない距離感を感じてほしい」

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『とある飛空士への追憶』神木隆之介&竹富聖花「主人公たちの切ない距離感を感じてほしい」

大迫力の空中戦と切ない恋の物語で話題を集めた、同名小説のアニメ映画化作品『とある飛空士への追憶』(10月1日公開)。そんな本作で、主人公とヒロインの声優を務めるのが、これまでにも『サマーウォーズ』(09)や『借りぐらしのアリエッティ』(10)に出演している神木隆之介と、『麒麟の翼 劇場版・新参者(仮題)』(2012年1月公開)や『ギャルバサラ 戦国時代は圏外です』(今冬公開)が待機中の新鋭女優・竹富聖花だ。今回はそんなふたりに、アフレコ時のエピソードや作品に込めた思いについて語ってもらった。

本作で神木が演じるのは、類まれな操縦技術を見込まれ、軍上層部より極秘任務を命じられる飛行士・狩乃シャルル。神木は、自身よりも年上のキャラクターの声を担当するのは今回が初めてだそうで、アフレコには独自のこだわりを持って取り組んだという。「少しでも大人っぽい雰囲気を出すため、声のトーンを低くしてしゃべるように心がけました。また、シャルルは軍人なので、セリフには多くの専門用語が入っているんですけど、それを日常会話のように“いかにも言い慣れている”感じで話せるようになるまで、何度も台本を読み返しました。その甲斐あって“戦い慣れした戦闘機乗り”としてのシャルルのイメージをうまく表現できたと思います」。

続いて、貴族の娘であり、政略結婚の道具として扱われるヒロインのファナを演じた竹富に、声優初挑戦の感想を聞いてみると、「とにかく初めての経験だったので、毎日が驚きの連続でした。アフレコって、声優さんが勢ぞろいしてやるものだと思っていたんですけど、スタジオに入った時、私一人しかいなくてびっくりしちゃったのが最初の思い出です(笑)。最初は全然、思った通りに声が出なくて苦労したんですけど、音響監督さんがつきっきりでアドバイスしてくださったお陰で、何とか録りきることができました。声だけで感情を表現するのって、本当に難しいですね」と、現場での苦労話も聞かせてくれた。また、ファナがしゃべるシーンを初めて見た時の感想を聞くと、「『私ってこんな声なんだ』という気持ちと『アニメのキャラクターが私の声でしゃべってる!』という嬉しさが混じった、すごく不思議な感覚でした」と答えてくれた。

命懸けの空の旅を通して、互いに心を通わせていくシャルルとファナだが、神木と竹富は、そんな自分たちの演じたキャラクターをどのようにとらえているのだろうか? この質問に対し神木は、「シャルルはしっかり者で芯が強いだけでなく、様々な悲しみや苦しみを乗り越えてきた青年です。だからこそ、相手の身になって物事を考えることができる本当の優しさを持っている。僕自身も『こんな男になりたい』と思いながら演じた、まさに理想的な主人公ですね」と話す。さらに、シャルルが活躍する場面の中で、一番好きなシーンについても語ってもらった。「最初の空中戦で、敵艦を撃墜するシーンが特にお気に入りです。爆発する敵艦に向かって『ゴメン』とつぶやくんですけど、そこから“本当は戦いたくない”“ただ空が好きなだけなんだ”というシャルルの本心が垣間見える気がして。彼の人間性を的確にとらえた一言だと思います」。

一方、竹富は自身の演じたファナについて、「最初は周囲に流されてばかりで、自分の意見も言えない気弱な性格だったけど、シャルルと出会ったことで、どんどん明るい性格に変わっていく女の子です。前半と後半でがらっと雰囲気が変わるので、アフレコ中はまるで二役を演じているような気分でした(笑)」と語る。また、本作の見どころとして、ファナとシャルルの微妙な距離感についても話してくれた。「ファナにとってシャルルは、閉ざしていた心を解放してくれた相手だし、シャルルにとってのファナも、身分に関係なく平等に接してくれた特別な存在。お互いに意識し合っていて、旅の中でだんだん近づいて行くんだけど、目的地に着いたら別れないといけないことも理解している。この切ない距離感に注目することで、作品の世界観をより深く楽しめるようになると思います」。

最後に、様々な分野でますますの活躍が期待されるふたりに、これからの展望について聞いてみたところ、竹富は「小さい頃から『ハリー・ポッター』シリーズが大好きだったので、エマ・ワトソンのような女優を目指して頑張ります。これからもいろんなドラマや映画に出演して『この作品のこの役は竹富聖花で良かった』と言ってもらえるような女優になりたいです」。一方の神木も「これまでは俳優業を中心に活動してきましたが、歌であったりダンスであったり、お芝居以外にも自分を表現できる手段はたくさんあります。これからはお芝居以外の表現方法にも、色々挑戦していきたいですね」と、それぞれ思いのうちを語ってくれた。【六壁露伴/Movie Walker】

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