『ギャルバサラ』の有村架純「役に入り込みすぎて空気が重くなったことも」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『ギャルバサラ』の有村架純「役に入り込みすぎて空気が重くなったことも」

インタビュー

『ギャルバサラ』の有村架純「役に入り込みすぎて空気が重くなったことも」

ひょんなことから戦国時代にタイムスリップしてしまった女子高生たちが、現代に戻る手段を探して奔走する様を、ハイテンションなタッチで描いたSF青春群像劇『ギャルバサラ 戦国時代は圏外です』(11月26日公開)。そんな本作で、様々な出会いを経て成長する主人公・あさみを演じるのが、『阪急電車 片道15分の奇跡』(11)や「11人もいる!」といった注目作に出演中の有村架純だ。今回はそんな彼女に、本作の見どころや、女優という職業に対する思いを語ってもらった。

本作が自身にとって初の主演作となる有村。だが現場では、初主演のプレッシャーよりも、あさみを演じる楽しみの方が大きかったという。「最初は不安もあったんですけど、何度も台本を読み返すうちに、あさみがどういう女の子なのかだんだんわかってきて。そうしたら今度は『早くあさみを演じたい!』という気持ちが強くなって、毎日ワクワクしながら現場に参加していました」。また、撮影中は役のことだけに集中していたそうで、「撮影は3週間ほどだったんですけど、その間はあさみのことしか考えられなくて。完成した作品を見て、初めて客観的に物語全体を把握することができました」とも話してくれた。

徹底して役作りに取り組んだあさみというキャラクターは、有村自身と似ているところが多いそうだ。「あさみは、先のことを考えすぎて、最初の一歩がなかなか踏み出せない性格なんです。でも、一度こうだと決めたら、とことん突き進む一本気なところもあって、そういう部分は私とよく似ていますね。なので、一度性格をつかんでからは、芝居がものすごくやりやすくなりました」。

こうして満を持して撮影に臨んだ本作は、現代・過去・未来と様々な時代でドラマが展開する何とも奇想天外な物語だが、そんな本作に対する率直な感想も聞いてみた。「戦国時代が主な舞台になっているけど、そこで描かれる人間ドラマは現代劇と変わりませんね。“友情”や“心の成長”といった誰でも共感できるテーマを、笑いと涙満載で映し出しているので、とても見やすいし、全ての時代の出来事が1つにつながるストーリー展開は、胸が熱くなること間違いなしです!」

本作で一番印象的だったシーンは?との問いには、竹富聖花演じる親友・優との喧嘩のシーンだと答える。「劇中には、派手なアクションやコミカルなシーンがいっぱいあって、全部好きなんですけど、やっぱりあさみと優の喧嘩のシーンは別格ですね。思いっきり感情をぶつけるお芝居ができたし、お互いに平手打ちをし合うことで、竹富さんの感情も直に感じることができました。彼女とはプライベートでも仲が良くて、撮影中もいつも一緒にいたんですけど、このシーンの撮影日は役に入り込みすぎて、ちょっと空気が重たかったですね。もちろん、今はすごく仲良しですよ(笑)」。

また、劇中には竹富をはじめ、同年代の若手俳優が多数出演しているが、彼女たちとの共演は、一人の女優としてとても良い勉強になったという。「皆、年が近いこともあって、お互いに意見を出し合いながら、芝居を作り上げていけたことが刺激的でした。こういった経験は初めてだったので、また皆で集まって、別の映画が撮れたら楽しいですね」。

中学三年生で女優を志して以来、全速力で第一線を走り続けてきた有村。最後に、女優という職業を続ける楽しさや、今後の展望について聞いてみた。「今は、一つ一つの役をこなしていくなかで、自分の成長を感じられることが嬉しくて仕方がないんです。そして、その役柄に完全になりきれたと実感できる瞬間は最高に楽しいですね。また今後は、自分のイメージとかけ離れた役どころも演じてみたいし、お芝居以外の仕事にも色々挑戦してみたいです。そして、そこで身につけた経験を活かして、演技の幅をもっと広げていきたいと思っています」。

今回、熱い思いを語ってくれた有村を筆頭に、多くの若手俳優がフレッシュな演技を披露してくれる『ギャルバサラ 戦国時代は圏外です』。本作鑑賞時は、その破天荒なストーリーだけでなく、彼女たちが織り成すリアルな掛け合いにも注目してもらいたい。【六壁露伴/Movie Walker】

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