宇宙旅行1500万円でたった4分の無重力体験に藤原竜也「家にいたい」 

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宇宙旅行1500万円でたった4分の無重力体験に藤原竜也「家にいたい」 

小惑星イトカワの岩石サンプルを持ち帰ってきた人類初の快挙を達成した“小惑星探査機はやぶさ”。その歴史的偉業を、JAXAエンジニア助手の青年、理学博士の女性、宇宙を夢見る少年らの目を通して描く人間ドラマ『おかえり、はやぶさ』が3月10日(土)に公開される。本作の完成披露試写会が1月23日に開催され、キャストの藤原竜也、杏、三浦友和、前田旺志郎、本木克英監督が登壇。ゆるキャラのはやぶさ君と共に舞台挨拶を行った。

エンジニア助手の大橋健人役で主演を務めた藤原竜也は、「年齢や性別を超えて楽しんでもらえる作品になったと思う。三浦さんとも親子をやらせてもらえるということで楽しかった」と映画に携わった感想を語り、三浦との競演については「現場にいるだけで、引っ張っていってもらえるような2ヶ月を過ごしました」とコメントした。理学博士・奈緒子を演じた杏は、「宇宙への情熱を常に持っていようと心がけました」と語った。役作りのために実際にJAXAを訪れたという杏は、「白衣を着た堅い方なのかなと思っていたけど、心温かくアットホームに接してくれて、自分の中でのイメージが良い意味で崩れた。映画にも生かせたと思います」と演技に役立ったようだ。

藤原の父で火星探査機「のぞみ」のプロジェクトリーダーを演じた三浦友和は、「はやぶさ関係が3本あります。東映の作品も是非見ていただきたいと思います。この映画は何てったって3Dですからね。その映像を楽しんでもらえれば」と話し、「今の世の中、宇宙開発なんてやってる場合ではないだろうとか、役に立つのか?という風当たりの強い仕事。映画や音楽なんてなくたって生活できる。でもなかったら寂しい。それと同じで、宇宙開発も大切だなと感じました」と、映画を通して感じた思いをしっかりと語った。

本作のメガホンを取った本木克英監督は、「はやぶさの映画が3本ある中、大トリとして公開されます。日本の宇宙開発の科学者や技術者たちがどんな素晴らしい仕事をしてきたかが、とてもわかるやすく感じてもらえると思う」と作品をアピール。3Dで宇宙を描いたことについては、「僕自身が観客の目になって、飛び出し続けると疲れますので、疲れない映像をどう作っていくかということに苦労しました」と3Dならでは製作エピソードを明かした。

また、今年世界初の宇宙旅行が実現するということにちなんだ「宇宙に行けたら何をしたい?」という質問には、藤原は「すごく興味があるし、UFOを探すかな。1人で楽しみたいですね」と話し、杏は「地球と一緒に写真を撮りたい。球体になった水にストローを差して飲みたい」とキュートなコメント。だが、宇宙旅行にかかる費用はおよそ約1500万円で、4分間しか無重力空間を体験できないという。それを聞いた藤原は「4分じゃもったいないな。やっぱり家にいますかね。行かないよね?」と杏に話を振り、「もうちょっと格安パックなら」と杏。藤原演じる健人の弟分のような小学生を演じたのは、お笑いコンビ・まえだまえだの前田旺志郎は「1500万円なんて無理やん! タダなら行きたい」と子供らしい言葉で観客を和ませ、三浦は「日本の俳優ってこのスケールですよ」と現実的なコメントを発した。

舞台上には、JAXAの的川泰宣名誉教授が登場。「宇宙のミッションが映画になるのはアポロ以来。はやぶさの場合は3.11のことがあったので、非常に大きな意味が加わったと思う。この映画は、家族の力がないと実現できないという部分が念入りに描かれている。日本だけでなく、世界中に広まってほしいと期待しています」とコメント。『おかえり、はやぶさ』の宣伝部長の「はやぶさくん」も登壇し、今後一緒に映画の宣伝活動をしていく藤原は「頑張りましょう!」、杏「通路とか移動が大変だと思いますが、転ばないように気をつけて一緒に映画を盛り上げていきましょう」と激励した。

最後に、藤原は「本当に素敵な映画になりました。子供たちが見ると宇宙への夢が広がる思う。家族で見て、温かい気持ちになってほしい」と挨拶。邦画各社が競うように同じ題材をテーマにした映画を製作した“はやぶさ”。松竹配給の本作は、はやぶさの宇宙冒険の描写が3Dによって表現されると共に関係者たちの人間ドラマを描く。本作で描かれる家族の絆や若い力に注目しながら、はやぶさ映画を見比べてみるのも楽しいはずだ。【取材・文/鈴木菜保美】

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