元宝塚の黒木瞳と真矢みきがロック魂で競演!「ロッカーって宝塚の男役と似ている」
アラフォー女性のリアルな悩みと奮闘を描く『ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター』(2月11日先行公開、2月18日全国公開)の完成披露試写会が1月30日、有楽町スバル座で開催。主演の黒木瞳、木村多江、山崎静代、真矢みき、そして星田良子監督が登壇した。
主演の4人はそれぞれの個性を生かしたキャラクターを生き生きと好演。家庭でも社会でも認めてもらえず、寂しさを募らせていた崖っぷちな女たちが出会い、勢いでロックバンドを結成。ぶつかり合いながらも、遅れてきた青春に燃える姿を描き出す。
メガホンを取った星田監督は「派手なアクションもない、残酷な殺人も何も起きない映画ですが、人の心の機微、切なさ、優しさを非常に丁寧に描きました。スクリーンから発せられる優しい思いを享受してください」とアピール。「アフレコでやるのは嫌だと思って、3ヶ月、ほぼ毎日個人レッスンをてもらいました」と語るように、本作では4人が実際にバンド演奏にチャレンジしている。リードギターを担当した黒木は、「弦楽器自体が初めてで。素質がなくって。最後は女子パワーを発散させるしかない!という気持ちでやりました」と苦労を語ると、宝塚で同期だったという真矢は、「宝塚でも楽器をやったんですが、私は鼓笛隊で打楽器で。ベースじゃなくてドラムだったら良かったかも。黒木さんも宝塚ではアコーディオンをやっていたので、ピアノだったらできるのよね」と宝塚の思い出を披露。続けて「私はまず形から入りました。ロッカーと男役ってあまり変わらない。羽がないことくらいで」と場内を沸かせた。ドラムを担当した山崎は「ドラムは体を全部バラバラに動かすので、私の大きな体全部に神経を行き届かせるのが難しかった」と言いながらも、「リズムの取り方はボクシングと似ている。お互いに活かせるところがあると思う」と明かし、劇中歌でもある「スモーク・オン・ザ・ウォーター」に乗せてシャドウボクシングを披露した。
また、4人が本音をぶつけ合う喧嘩のシーンも見どころの一つだ。黒木が木村に激しいビンタをお見舞いする。木村は「本番の前に瞳さんから『本気でいくよ』って言われて、『思いっきりやってください!』って言ったら、ものすごい勢いでぶたれたので、目がチカチカチカってして(笑)」と振り返ると、山崎が「私が叩くんじゃなくて良かった」とコメント。会場の爆笑を誘った。
最後に、2月にボクシング全日本女子選手権に臨む山崎に、黒木、木村、真矢からピンクのサイングローブがプレゼントされた。黒木は「ここにいるみんなも応援しているので、オリンピックを目指して頑張って!」と激励。山崎も「勝ちます!」と力強く答え、感激しきりだった。会場も、劇中同様に新たなステージに挑む山崎を拍手で励ました。
いつだってチャレンジすることの輝きを温かな笑いに包んで教えてくれる本作。一生懸命な彼女たちの姿に元気をもらえるはず! 是非劇場で楽しんでもらいたい。【取材・文/成田おり枝】