『SHAME』監督、マイケル・ファスベンダーがアカデミー賞ノミネートを逃したことに物申す!

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『SHAME』監督、マイケル・ファスベンダーがアカデミー賞ノミネートを逃したことに物申す!

『ハンガー』(08)で初タッグを組み、『SHAME シェイム』(3月10日公開)でマイケル・ファスベンダーを一躍時の人にしたスティーヴ・マックイーン監督が、マイケルが第84回アカデミー主演男優賞にノミネートされなかったことについて、アメリカ映画界に物申している。

それまで泣かず飛ばずだったマイケルは、NY映画祭に出展された『SHAME シェイム』のインタビューで、「サラリーマンだって同じだろうけれど、30歳っていうのは一つの区切りの年。役者としての潮時かと感じている時に、スティーヴ監督と出会った」と語っている。『ハンガー』でスティーヴ監督と出会った30歳のマイケルは、これが転機となり、英国インディペンデント映画賞主演男優賞を受賞して注目を集めた。そして『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)で主役のマグニート役に抜擢されるなど、突然引っ張りだこになった俳優だ。

監督と二度目のタッグとなった『SHAME シェイム』でマイケルは、人間と向き合うことのできないセックス依存症の男を全裸で熱演。第68回ヴェネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞したほか、各賞にノミネートされたが、最後の登竜門となるアカデミー賞ではノミネーションから漏れるという残念な結果に終わっており、『J・エドガー』のレオナルド・ディカプリオの落選よりもサプライズだと言われている。

それについてスティーヴ監督は、「アメリカは、セックスを恐れすぎている。それが彼がノミネートされなかった理由だよ。彼がノミネートされてないなんて誰もが驚くクレイジーなことだけど、それがアメリカの賞(アカデミー賞)なんだ」「彼は、役になりきることができ、超越した演技ができる世代の寵児とも言える俳優なんだ。彼の演技を見れば、そう信じることができるはずだ」と英プレス・アソシエーションに語っている。

同作は、マイケルの巨根が大いに話題となり、また大都会で同じような悩みを抱える若い世代のニューヨーカーなどから共感を得て、予想以上の興行成績を残したものの、「役作りはマスターベーション」とジョークが飛ばせるほどに、全裸でマスターベーションにふけるマイケルの姿が満載だ。つい先日、ロサンゼルス・タイムズ紙が発表したデータによれば、アカデミー会員の平均年齢は62歳。彼らにとって同作やマイケルの演技は、芸術性という意味では程遠かったのだろうか?

マイケルの素質を見出したイギリス人のスティーヴ監督が、この結果を不満に思うのは当然だろうが、かつてインタビューの中で「スティーヴとは、マイケル・マン監督とアル・パチーノ、マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロのような関係になりたい」と語っていたマイケル。

今回は惜しくもノミネートを逃したが、今後も役者引退どころか出演作が目白押しで、焦らずともアカデミー賞にノミネートされる日もそう遠くなさそうだ。【NY在住/JUNKO】

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