第84回アカデミー賞レッドカーペットでサーシャ・バロン・コーエンが悪ふざけ! 歴史に残る出来事に視聴者は?
現地時間2月26日に開催された第84回アカデミー賞授賞式のレッドカーペットで、ちょっとしたハプニングがあり、物議を醸している。事件は同授賞式をオンエアしていた米ABCテレビがレッドカーペットを独占放送する前に、レッドカーペットでセレブたちを紹介していた米テレビE!の生中継の真っ只中に起こった。
WENN.COMによれば、作品賞などにノミネートのマーティン・スコセッシ監督『ヒューゴの不思議な発明』(3月1日公開)の出演者サーシャ・バロン・コーエンは、同作のサポーターとして授賞式に招聘されていたにもかかわらず、同授賞式で自ら脚本・主演を兼ねる仮想の国の独裁者を描いた新作『The Dictator』(全米5月11日公開)のプロモーションをすると宣言、物議を醸したという経緯がある。実際に、ふたりの女性の側近を携え、故サダム・フセインなどの独裁者を連想させる制服姿でレッドカーペットに登場したサーシャは、E!テレビのホストのライアン・シークレストにデザイナーを聞かれると、「ジョン・ガリアノです。ソックスはKマート(安物スーパー)のものです。かつてサダムが『靴下は靴下でしかないから、お金をかけるな』って言ってたので」と語り、ライアンや視聴者を楽しませていた。しかし、その後に手に持っていた北朝鮮の故キム・ジョンイルの顔がプリントされた金の壺を掲げると、「レッドカーペットを歩くのが夢だった友達を連れてくることができました。本当はハル・ベリーの胸がよかったんだけれど」と話しながら、ライアンのスーツに向かって壺を傾け、中に入っていた遺灰(もちろん偽物)をスーツとレッドカーペット上にまき散らした。
左半身が粉で真っ白になったライアンは、顔を引きつらせながらも、「何かくると予想していたよ。今、いっせいにカメラが僕の方に向いているね。以前から母親に、『衣装は必ず二着用意しておきなさい』って言われても意味がわからなかったけれど、こういう時のためだったんだとわかったよ」と必死に灰を払いながら、作り笑顔でコメントした。しかし、なかなか粉が取れなかったようで、近くの同業者が持ち合わせていたタオルを差し出したり、仲間のホストたちもライアンを必死でフォローしたほか、その後にレッドカーペットでライアンのインタビューに応じたコメディ女優のティナ・フェイが、「コメディの犠牲者になってしまったわね」と、ライアンを励ます姿も見受けられた。
これについて、早速ハリウッド・レポーター誌が、ツイッターによる視聴者の反応を調べたところ、32%が「悪ふざけが過ぎて、楽しめることではない」と不快感を表した一方で、57%が「すごく面白かった」と感じているという。また、12%の人々が「今年のオスカーの見どころになるのは間違いないが、失礼だ」と答えていることが明らかになった。
どうやら視聴者には面白い出来事になったようだが、ブラウン管を通じて見て取れるライアンの反応からすると、当の本人は相当ご立腹だったに違いない。これに対して、アカデミー事務局が、サーシャに対してどのようなお達しを下すのかも注目されている。【NY在住/JUNKO】