妹尾河童の「少年H」を水谷豊&伊藤蘭で映画化!28年ぶり、夫婦初共演で夫婦役

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妹尾河童の「少年H」を水谷豊&伊藤蘭で映画化!28年ぶり、夫婦初共演で夫婦役

ミリオンセラーを記録する妹尾河童初の自伝的長編小説「少年H」が水谷豊、伊藤蘭出演で映画化される。水谷、伊藤の共演は1983年から1984年にかけて放送されたドラマ「事件記者チャボ!」以来、28年ぶりとなる。さらに、結婚後初の夫婦共演にして夫婦役を演じることでも話題を呼びそうだ。脚本は『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズを手掛ける古沢良太で、監督は降旗康男が務める。

「少年H」は、昭和初期から激動の20年間、異国情緒あふれる神戸を舞台に、戦争という激流の渦に巻き込まれながらも、「H(エッチ)」と呼ばれる好奇心と正義感が人一倍旺盛な少年・妹尾肇とその家族が勇気、信念、愛情をもって生き抜いた姿を描いた物語。映画では物語の柱となる「少年H」ではなく、水谷演じる洋服屋の父親・盛夫が主人公の設定に置き換えられ、ストーリーを展開する。

これまで幾度となく映画化のオファーを受けたものの、断り続けてきたという妹尾。しかし、水谷から「(原作を)何回読み返しても、この父親をやるのは僕だと思いました」という言葉を受け、映画化許諾を決意。妹尾は以前から水谷が、「僕の父親の顔に似ている」と感じていたようで、「映画だから似ていなくても良いのだが、似ている方が実在感を増す」と語る。その後、母親役が伊藤に決まり、「映画の中の、Hの家族が見えてきた」という。

原作にほれ込んだ水谷は、「戦前・戦後という激動の時代を、主人公となる名もなき家族が必死に健気に乗り越えていく姿に、時代を越えて心を動かされた」と話し、伊藤は「戦争という避けることのできない困難を前にしても、自己を見失わず地に足をつけて生き抜いた少年Hにとても感銘を受けました」と、その印象を語っている。メガホンを取る降旗監督は、「戦前と戦後で価値観が全く変わってしまった日本で、ぶれずに諦めずに信念をもって生き抜いた少年Hたち家族の姿に感動した読者の一人として、その爽やかな感動をフイルムに焼き付けたい一念で準備を進めてきました」と、映画化に至った経緯を明かす。夫婦共演が実現し、水谷は「『少年H』の力に他なりません」とコメントし、伊藤は「これまで想像もできなかった夫婦共演ですが、三十年という月日を経て、また共にひとつの目標に向えるということは大きな喜び」と心境を語った。

『少年H』は5月1日(火)クランクイン、6月末クランクアップ予定となっており、撮影は全国各地のほか、空襲で一面焼け野原と化した神戸を再現するために韓国・ハプチョンでのロケを予定している。公開は2013年夏を目指す。【Movie Walker】

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