事故で急逝した世界的巨匠テオ・アンゲロプロス監督の追悼特集上映が緊急開催
1月24日、ギリシャの巨匠テオ・アンゲロプロス監督が交通事故に遭い、76歳で亡くなった。突然の訃報に世界の映画ファンは驚きと哀しみに包まれたが、追悼の意を込めて、池袋の新文芸坐で「緊急追悼上映 巨匠 テオ・アンゲロプロス」と題した特集上映が3月12日より開催されている。
1968年に初短編、1970年に初の長編を手がけて以来、数々の作品を世に放ってきたアンゲロプロス監督。長回しによって生み出される、ゆったりとした呼吸の映像が特徴的で、曇天と霧に包まれた神秘的かつ詩的な風景によって、アンゲロプロス的としか言いようのない独自の世界が描かれている。
今回の特集では代表作『旅芸人の記録』(75)や、カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した『永遠と一日』(98)などを上映。3月18日(日)まで開催される。新文芸坐の他にも東京では、シネマブルースタジオで4月4日(水)から全10作品を一挙公開するほか、名画座早稲田松竹でも5月5日(土)より二週連続の特集上映が行われる予定。地方の劇場でも4月以降に広島・サロンシネマ、札幌・蠍座、秋田・シアタープレイタウンで上映が予定されており、今後もその輪は広がっていきそうだ。
『エレニの旅』(04)、日本でも公開が予定されている『The Dust of Time』(09)に続く、20世紀を題材とした三部作の最終作『The Other Sea(原題)』を撮影中の事故。監督の死によって三部作が完結を見ないまま頓挫してしまうのは残念だが、是非とも遺された素晴らしい作品群に改めて触れてみてほしい。【トライワークス】
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