13年ぶりにスクリーンに降臨した伝説のカンフースターって?

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13年ぶりにスクリーンに降臨した伝説のカンフースターって?

昨年のカンヌ国際映画祭や釜山国際映画祭に正式招待され、先日行われた第7回大阪アジアン映画祭のジャパンプレミアでは、チケットが即日完売するなど、公開前から注目を集めているミステリーアクション『捜査官X』(4月21日公開)。『恋する惑星』(95)、『レッドクリフ』シリーズの金城武と、『イップ・マン 葉問』(11)、『孫文の義士団』(11)のドニー・イェンという、現在のアジア映画を代表する二大スターの共演が話題となっている本作だが、往年のカンフー映画ファンにはおなじみの大スターが、本作で13年ぶりにスクリーン復帰を果たしているのも見逃してはいけない。

本作で奇跡のカムバックを果たしたのは、あのクエンティン・タランティーノも『キル・ビル』(03)でオマージュを捧げたカルト映画『片腕カンフー対空とぶギロチン』(76)が映画マニアから熱狂的な支持を得ているジミー・ウォングだ。1964年に俳優として映画デビューした彼は、1967年公開のアクション映画『片腕必殺剣』で初主演を飾る。この作品は香港映画史上初の100万ドルの興行収入を記録する大ヒットとなり、彼は大ブレイク。“天皇巨星”という仰々しいニックネームまで与えられ、スター街道を躍進することに。1970年には脚本と主演も務めた初監督作『吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー』が大ヒットし、後の香港カンフー映画ブームの礎を築いたと評されている。その翌年に日本で製作された『新座頭市・破れ!唐人剣』では、あの勝新太郎とも共演している、知る人ぞ知る大物なのだ。

私生活のトラブルや黒社会との関係が噂されたことから、1980年代以降は表舞台から遠ざかっていた彼だが、これまで出演した作品の再評価もあり、『捜査官X』で13年ぶりに銀幕復帰! クライマックスでは現代最高峰のアクションスター、ドニー・イェンとカンフーで渡り合い、元祖カンフースターの面目躍如といえる熱演を見せている。また、カタギの人とはどうしても思えない本物のすごみと存在感には、若い映画ファンも身震いすること間違いなしだろう。

10年以上のブランクを感じさせない演技とアクションで、往年のカンフー映画ファンを喜ばせてくれるジミー・ウォング。本作の演技がきっかけとなって、彼の悪役としての再ブレイクもありえるかもしれない。【トライワークス】

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