宮藤官九郎が激白、『少年メリケンサック』の裏設定!?
人気脚本家・宮藤官九郎監督が、パンクへの愛を炸裂させた痛快爆笑ムービー『少年メリケンサック』(2/14公開)がついに完成。“パンクの聖地”名古屋で、主演の宮崎あおいと共に作品への思いと裏話を語った。
本作は、宮崎あおい扮するレコード会社のお気楽社員・かんなが、ひょんなことから暴走系オッサンパンクバンド「少年メリケンサック」の全国ツアーに同行することから始まるロード・ムービー。
凶暴で酒癖が悪くケンカっ早いバンドのメンバーに、佐藤浩市(アキオ/ベース)、木村祐一(ハルオ/ギター)、田口トモロヲ(ジミー/ボーカル)、三宅弘城(ヤング/ドラム)が扮し、やりたい放題の珍道中を繰り広げる。
宮藤作品の大ファンという宮崎は、NHK大河ドラマ「篤姫」(08)の撮影の合間を縫っての参加。その撮影を振り返り「テイクを重ねる度に面白くなっているのが分かる撮影で、その場で台本にはない台詞や動きが追加されるので、毎回新鮮な気持ちでいられた」と、撮影を心ゆくまで満喫した様子。
宮藤監督も「矛盾ある一貫性のないキャラクターを迷いなくやってくれた。現場でも、その場でつける演出に即反応するので改めてスゴイと思いました」と絶賛した。
今回の撮影で宮藤監督を悩ませたのが、自称・高円寺のシド・ビシャス(セックス・ピストルズの2代目ベーシスト)ことアキオ役の佐藤浩市なんだとか。
「想像以上にかっこ良すぎて、必要以上に汚させていただきました。それでも革ジャン着せるとカッコイイので、どうしようかと。ところが、名古屋のライブ・シーンで髪を立てたらカッコイイを通り過ぎて面白い域に達したんです。以降必要以上に髪を立ててもらいました。そこは注目です!」
ミニバンで全国ツアーに出かける少年メリケンサックのメンバーとかんな。最初に向かうは、“パンクの聖地”名古屋だ。
そこで宮藤監督が、宮崎あおいも初耳の裏設定(?)を披露。「まだパンクがアンダーグラウンドで活動していた頃、既に名古屋では『ザ・スタークラブ』や『原爆オナニーズ』といったバンドが盛り上がっていて、自分の中では、パンクといえば名古屋だったんです。高校在学中そのふたつのバンドに在籍していたのが、『BLANKEY JET CITY』のドラムの中村達也さんで、そこはヤングと境遇が似ているんです。これは僕と三宅さんしか知らないことなんですけど、高校当時の中村さんがモヒカン、半顔メイクだったことからヤングの風貌もあぁなったんです」
劇中にも「ザ・スターリン」の遠藤ミチロウや「ザ・スタークラブ」の日影晃など、日本のパンク・シーンを支えたミュージシャンたちが多数ゲスト出演しているので、お見逃しなく。
ベースを猛特訓した佐藤浩市を始め、熱きパンク魂を爆発させた少年メリケンサックの迫力のライブシーンに加え、国民的女優・宮崎あおいのはじけっぷりがたまらない。オススメの一作だ。【MovieWalker/大西愛】