「ララピポ」成宮寛貴にたっぷり30分インタビュー!
さぁ、みなさんご一緒に。「a lot of people」を“外人読み”してみてください。「ァ ラーラ ピ〜ポ〜」=【ララピポ】に聞こえませんか!?
現代の東京では、たくさんの人々がひしめきあって生活しています。“ワーキング・プア”や“ネットカフェ難民”、さらには“派遣切り”という言葉も珍しくなくなった今、とんだ不況の中でサバイバルするのは、もはや並大抵のことではありません。
本作、2月7日(土)公開の「ララピポ」で描かれるのは、そんな日本最大のアーバン・ジャングル=東京で必死に這いつくばって生きている6人の人間模様です。セックスのことばかり考えている対人恐怖症のフリーライターや、ゴミ屋敷に住む淫乱主婦など、かなり“H”で個性的なキャラクターが揃う中、今回成宮寛貴が挑戦したのは、“風俗専門のスカウトマン”。硬派なイメージの強い彼が、どういう経緯で本作への出演を決意したのか。彼が考える『ララピポ』の見どころとあわせてたっぷりと語ってもらいました。
――『ララピポ』は、ズバリ一言でいうとどんな映画ですか?
成宮「(かなり考えて)ヒューマン・H・コメディです!(笑)」
――今回、過去の出演作のイメージから一転、“風俗専門のスカウトマン”という癖のある役を引き受けましたよね。何かきっかけになることがあったのでしょうか?
成宮「一番のきっかけは、プロデューサー(石田雄治)と仕事がしたいという強い気持ちがあったからです。『嫌われ松子の一生』を観て、すごく感動して。彼の目を通して、自分のいいところを引き出してほしいという思いがありました。俺、プライベートで昔、『成宮くんて、顔は笑ってても心の中では笑ってないよね。目が笑ってない』って言われたことがあって。自分自身も気付いてないような、自分の中の暗い要素を、この役では活かせるんじゃないかと思いました。本来自分が持っている“武器”なんだけど、まだ使い方を知らない武器を使ってみたくて。僕のそういう部分を、石田プロデューサーなら引き出してくれる! という確信があったんです。だから、最初に会った時に、『ぜひ一緒に仕事がしたいです!』とゴリゴリ自分をアピールしていきました! それで来たのがこの『ララピポ』の仕事です。正直、これか…! と思いましたけど。AVのスカウトマンかぁ…と(笑)」
――そのAVのスカウトマンである、栗野健治を演じる上で気を遣ったことはありますか?
成宮「僕が気を付けて演じたのは、とにかく“軽く”すること。冒頭に『この世界には2種類の人間しかいない。一生地べたに這いつくばって生きる人間と、そこから抜け出し、高く高く上りつめる人間―』っていうセリフがあって、これが彼の“スローガン”になっているんです。それを彼がガムシャラに信じて生きている感じを、すごく大切にしました」
――実際演じてみていかがでしたか?
成宮「楽しかったですよ! すごく。でも朝一が辛かったです。渋谷でロケをしたんですが、人の迷惑になっちゃいけないんで、わりと早めの時間に撮影したんです。何時だったかははっきり覚えてませんが、自分的には5時くらいの感覚(!?)でした」
――ところで、この作品の中には、女性が観たら引いてしまうような“H”な部分もかなり描かれていると思うのですが。その辺りは抵抗ありませんでしたか?
成宮「そうですね…確かにHですが(笑)、あまり抵抗はありませんでした。それよりも、この作品の“人間の暗い部分”を表現したかったので。必要だったらやりますよ!」
――共演者の中で特に印象に残っている方は?
成宮「濱田(マリ)さんですね! 濱田さんってすごくお綺麗な方なんですよ。入ってくるときはすごく美人さんなんですけど、メイクし終わって、普通はもっと美人さんになって出てくるところが、今回の役柄上、すごい老けて幸のうす〜い感じで出てきて。その変身っぷりがおもしろかったです」
――では、最後に、本作に登場するキャラクターたちのように、一生懸命生きている人たちに向けてメッセージをお願いします!
成宮「どんなに自分に悩んでいても、まずは今の自分自身を認めないと、前には進めない。そういうことを僕はこの作品から学んだので、これから観ていただく方も、そういう気持ちで観てもらえたら、この作品を楽しんでもらえるんじゃないかと思います」【MovieWalker/渡部晃子】