戸田恵梨香&加瀬亮『SPEC 天』のガチンコ対峙シーンを語る!
戸田恵梨香&加瀬亮の名コンビによる人気連続ドラマが、『劇場版 SPEC 天』(4月7日公開)となってスクリーンに登場する。戸田扮するIQ201の頭脳明晰で変人の当麻紗綾と、加瀬扮する警視庁特殊部隊(SIT)出身の熱血漢・瀬文焚流が、特殊能力=スペックを持つスペックホルダーたちと闘っていく。堤監督の下、ハイテンションなキャラクターを演じたふたりにインタビューし、映画の見どころや、シリーズの魅力について聞いた。
映画に先駆け、4月1日(日)にはスペシャルドラマ「SPEC 翔」もオンエアされ、映画の公開週は「SPEC」ウィークとなって盛り上がりそうだ。時間軸で見てみると、「SPEC 翔」に続く物語が『劇場版 SPEC 天』となっている。戸田は、この2作の撮影前に、堤監督から「一番重要なのは当麻と瀬文が屋上で対峙するシーンだ」と告げられたという。「自分でもあのシーンはちゃんと考えてやらないと成立しないし、すごく難しいシーンだと思っていたので、そこは意識して臨みました」。
瀬文役の加瀬は、今回の2作で少し役柄のトーンが変わったと語る。「本来、瀬文はシリアスなパートを担っていたんですが、今回は瀬文もギャグの要員として駆り出されているので、そこら辺は戸田さんに任せるしかないと思いました。でも、戸田さんは相変わらず素晴らしかったですし、僕が当麻にたくさん感情移入をしていくことで、ドラマはつながっていると思ったから、それは良かったと思います」。
実際、ふたりが真っ向から向き合うシーンは、『劇場版 SPEC 天 』のハイライトだ。戸田は「緊張感のあるシーンだったので、スタッフの皆さんもそういう現場作りをしてくださったように思います」と振り返る。当麻が涙を流すシーンについても、彼女のこだわりが感じられる。「当麻の涙が弱くならないようにしたかったんです。あのシーンでは、弱さだけではなく、悔しさや、自分では計り知れない辛さを表現しないといけなかったので、そのさじ加減が難しかったです。当麻は、常に葛藤や辛さを抱えているから、そこを大事にしたいと思いました」。
派手なアクションシーンでは、浅野ゆう子扮するマダム陽と、瀬文の対決シーンが見ものだ。加瀬は本作で、連ドラの時よりもアクションをオーバー気味に演じるようにと、堤監督から指示を受けた。「映画の方がより漫画っぽい感じになっていますね(笑)」。ふたりの戦いを間近で見ていた当麻役の戸田も、加瀬の熱演に感心する。「マダム陽が吹雪を起こすシーンでは、物が全て凍っているようなセットにしないといけなかったので、芝居的には飛び飛びだったから大変だろうなって、端から見ていました」。
ふたりに「SPEC」シリーズの魅力についても聞いた。戸田は「やっぱり瀬文と当麻です。ふたりの関係性やお互いに抱いている思いがすごく魅力的だと思います」と言うと、加瀬も「僕も当麻を中心としたキャラクターたちが面白いと思います。みんな生意気な点も良いですね」と同意する。
さらに戸田は、本シリーズのテーマについても触れた。「超能力を扱った作品って結構たくさんあるけれど、その中でも本作は、特殊能力=スペックを持ってしまった者の苦悩を主に描いています。それって、人としての悩みを表現した作品ともいえると思うので、その辺を遠回しかもしれませんが、伝えているところが好きです」。そういう意味で、様々な現実に苦悩する当麻と、彼女を見て葛藤する瀬文の絆のドラマは、映画で沸点を迎える。まさに、ふたりがシリーズ集大成の演技を見せているので、心して臨みたい。【取材・文/山崎伸子】