『ダークナイト ライジング』、ジョーカーは復活せず!
全米歴代3位の大ヒットとなった『ダークナイト』(08)の続編で、シリーズ第3弾となる『ダークナイト ライジング』(全米7月20日、日本7月28日公開)には、ジョーカーが登場しないことが明らかになった。
撮影終了直前に亡くなったヒース・レジャーが演じたジョーカーは、『バットマン』シリーズの伝説的キャラクターとして強烈なインパクトを残し、本作でヒースはアカデミー助演男優賞に選ばれている。
クリストファー・ノーラン監督は、前編に登場したキャラクターを復活させることで知られており、『ダークナイト』では『バットマン ビギンズ』(05)でジョナサン・クレイン、スケアクロウに扮したキリアン・マーフィが出演し、シリーズ第3弾では、ヘンリー・デュカード(真のラーズ・アル・グール)のリーアム・ニーソンが復活することが決まっているが、秘密主義のノーラン監督とあって、ジョーカーの行方に注目が集まっていた。
しかし、英エンパイア誌のインタビューで、ノーラン監督は「本作では、ジョーカーについて全く言及していません。生前のヒースとの関係において、また彼が『ダークナイト』で成し得たことを踏まえたうえで、実生活で起きた悲劇をわざわざ彷彿させるようなことはしたくないのです。ジョーカーなしで、新たなキャラクターを設定してブルース・ウェインの物語を完成させました」と語り、ジョーカー復活説を完全否定した。
『ダークナイト ライジング』の悪役は、ヒースのジョーカーと比較されることは必至で、なかなか引き受ける俳優が見つからなかったと言われているが、そんななかで果敢にも悪役べインを演じているトム・ハーディは、「自分のキャラクターと他のキャラクターは比べられるものではないと思っている。全く別のキャラクターとして演じたい」と語っており、ノーラン監督の配慮と、前作の人気に頼らない自信とプライドがあったのかもしれない。【NY在住/JUNKO】