ハリウッド映画から中国人悪役が消える? 『メン・イン・ブラック3』編集の理由
ハリウッド映画から中国人の悪役が消えているとロサンゼルス・タイムズ紙が伝えている。映画プロデューサーたちは、何とか映画の中にポジティブなイメージの中国人キャラを登場させようと躍起になっているらしい。
同紙記事によれば、先月、中国で『メン・イン・ブラック3』が公開された時にも、ソニーは急遽編集のやり直しを行い、チャイナタウンの中華料理店の中国人従業員がエイリアンとして描かれているシーンや、記憶を抹消された中国人キャラクターのシーンなどをカットしたという。これらの登場キャラクターは中国人にとってあまり好ましい描かれ方をしていないので、中国市場での観客や、中国資本からの投資を獲得したい映画会社が細心の注意を払って削除しているらしい。とはいえ、これらのシーンは中国以外の国の公開ではカットされていないそうで、いかにハリウッドが中国国内での反応を特別視しているかがわかる。
ソニー・ピクチャーズは『メン・イン・ブラック3』中国公開における編集の理由について公式コメントの発表を拒否しているようだが、幹部の中には「中国人キャラをめぐる複雑な問題が製作前からわかっていれば、設定をチャイナタウンではなく、別の外国人コミュニティーにしたかもしれない」と語る人もいるという。
匿名を希望しているハリウッドの映画プロデューサーは、「これは明白は証拠だ。恐らくハリウッドの歴史で初めて外国の検閲機関が、我々が製作するものに深刻な影響を与えている」と語っているらしい。【UK在住/ブレイディみかこ】
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