「バナナもアニメも大好き」な木村佳乃が明かす、映画『それいけ!アンパンマン』アフレコ秘話|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「バナナもアニメも大好き」な木村佳乃が明かす、映画『それいけ!アンパンマン』アフレコ秘話

インタビュー

「バナナもアニメも大好き」な木村佳乃が明かす、映画『それいけ!アンパンマン』アフレコ秘話

『アトランティス 失われた帝国』(01)、『オープン・シーズン』(06)、『カンフー・パンダ』シリーズなどで声の出演を務めてきた木村佳乃が、現在公開中の『映画 それいけ!アンパンマン よみがえれ バナナ島』で、バナナ島のお姫様“バンナ”の声を演じている。「子供の頃は『魔法の天使クリィミーマミ』が大好きでした。『リトル・マーメイド』などのディズニーアニメや、スタジオジブリの『風の谷のナウシカ』と『紅の豚』も大好きですね。ジブリの作品はDVDも全部持ってます。いずれ(昨年産まれた)娘にも見せたいなあと思いますよね」。

バンナ役の話が来た時、実はちょっとビックリさせられたのだとか。「お話をいただいた時、『私がバナナ好きだって、どうしてバレたんだろ?』と、実はビックリしたんです。この何ヶ月間、ほとんど毎朝バナナを食べてるんですよ。朝忙しい時は最適なんです。だから絶妙のタイミングだったんです(笑)」。

バンナのキャラクター的な側面とも、よく似ている部分があるという。「ボーイッシュなところが似ています。私は昔から“少年っぽい”と言われることが多くて、『アトランティス』のプリンセス・キーダも同じような役柄でした。でもバンナちゃんは予想以上にワンパク。叫んだり泣いたり、感情の起伏がとても豊かなので力一杯演じました」。

事前に資料をもらい、イメージトレーニングをして臨んだアフレコ当日、「その練習の100倍は声を出しましたね(笑)」と、奮闘を語る。「高めの声で演じるのだと思っていたら、監督から『低めで元気よく』と言われ。私の地声ってそれほど高くないので、その辺りを汲んでられたのかなと思います。それからリハーサルをして彼女の声を固めたんですけど、私の声だとはわからないかもしれません。もう、汗だくになってアフレコしましたし、難しかったです。小さいお子さんが対象の作品ですから、感情表現も滑舌もわかりやすいよう意識して、普段のお芝居より感情の機微を大きくしています。朝10時から3、4時間ほどフルボイス。あらん限りの声を出し切る感じでした(笑)」。

「あんなに声を出したのは生まれて初めて」と振り返る彼女だが、「“元気と勇気の象徴”アンパンマンと共演するには、声を出す側にも元気がないと駄目かな、ですよね」と、アンパンマン役・戸田恵子への尊敬の念と共に話す。「戸田さんの声が大好きなんです。ブースで戸田さんの『アーンパーンチッ!』を聴けた時は、すごく感動しました。ドラマや舞台でお忙しいなか、アンパンマンを20年以上も演じられてきた継続力って、本当にすごいです」。

最近、3歳の姪と一緒にテレビを見るようになり、子供たちにとって「アンパンマン」がどれほど大きな存在であるか実感した。「姪がはまった頃から、私も真剣に見るようになったんです。彼女からひたすら“アンパンチ”の嵐です(笑)。一緒に見ていて思ったのは、シンプルなので子供にわかりやすく、人を思いやる気持ちを自然と教えてくれて、良い影響を与えてくれるアニメだなと感じました。だから、姪も『アンパンマン』を絡めて言うことを聞かされています(笑)」。

子供たちへ思いやりを届ける「アンパンマン」。では肝心の映画の見どころは?「意固地なバンナちゃんがアンパンマンとバイキンマンの優しさに触れ、変わっていくところですね。傷ついたバンナちゃんがアンパンをもらって食べて、涙して『こんなんじゃいけない』と心を改めるシーンも素敵です。やはり、アンパンマンたちの見返りを求めない友情や思いやりに感動します。やなせたかし先生も、今作で“復興”をテーマになさったそうです。昨年は東北の皆さんの心の強さであったり、他人を思いやる気持ちだったり、私たちもすごく胸を打たれましたよね。そういう気持ちは、私も脚本を読んでもジーンとしました。今回は脚本が面白くて、スッと作品に入り込めました。シンプルでいてメッセージも伝わって、演じていて無理がなかったです」。

脚本から役柄を膨らまし、演じていくうえで、役者としてアドリブを入れたいと思うことは?と尋ねると、アニメであれ、実写であれ、作り手を思い彼女はこう語る。「私はあまりアドリブを入れない、できるだけ言葉を変えない主義です。お仕事を通して仲良くさせていただいている脚本家の大森美香さんが、不眠不休で内面から言葉を絞り出しながら書いている姿を見て、私はその気持ちを演じたいと思いました」。

作品を見る側への気遣いも忘れない。妊娠と出産、その間に震災を経て、このほど女優業を本格的に再始動した彼女だが、女優として、人として何か心境の変化は?「母親になったのですから、娘においては全責任が伴いますよね。ただ、それをいきなり感じたかというのではなく、産まれるまでの10ヶ月、生まれてから7ヶ月ですけど、日々だんだんと母親の自覚が積み重なっていきます。子供とのコミュニケーションが、私を母親にしてくれる感じがします」。【トライワークス】

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