ダニエル・ラドクリフ主演『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』の日本公開日決定!
2011年に完結した『ハリー・ポッター』シリーズで主演を務めたダニエル・ラドクリフが、次に挑むべき作品として数ある企画の中から自ら選び取ったのがブリティッシュゴシックホラー『The Woman in Black』だった。全米では今年2月に公開された本作が、邦題『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』として12月1日(土)に日本公開されることが決定し、ティーザーポスターも同時に公開された。
原作は、1983年に出版された人気作家スーザン・ヒルの小説「黒衣の女 ある亡霊の物語」。1982年にテレビムービー化され、ラジオシリーズや舞台劇にもなった名作だ。それを『吸血鬼ドラキュラ』(58)などの怪奇映画で一世を風靡し、『モールス』(10)で復活した老舗のホラーレーベル、ハマーフィルムが15年もの構想期間を経て映画化。全米ボックスオフィスで初登場2位を記録した本作は、世界中で1億2000万ドル以上の興収を叩き出した。
19世紀末のロンドンに暮らす若き弁護士アーサー・キップス(ラドクリフ)は、4年前に愛妻ステラを亡くして以来、失意のどん底にいた。ある日、事務所のボスから新たな仕事を命じられた彼は、一人息子をロンドンに残し、田舎町クライシン・ギフォードへと旅立つ。アーサーに課せられたのは、他界したばかりのアリス・ドラブロウ夫人の“イールマーシュの館”に赴き、彼女の遺言書を見つけ出すこと。ところが、沼沢地の島にぽつんとそびえ立つ館にはただならぬ陰鬱な雰囲気が漂い、謎めいた“黒衣の女”が森や窓辺に出没する。やがて、この館の忌まわしい過去と、町の大勢の子供たちが相次いで変死している事実を探り当てたアーサーは、自らも恐るべき呪いの連鎖に巻き込まれていく。
ラドクリフは主人公アーサーが“イールマーシュの館”の内部を探索するシークエンスで、この世ならぬ超常現象に見舞われながら“黒衣の女”の秘密ににじり寄っていく過程を、迫真の一人芝居で演じ切っている。ホラーにありがちな絶叫演技をあえて封印し、今は亡き愛妻の幻影に囚われた男の耐えがたい痛みもひしひしと伝える入魂の演技は、俳優としての確かな成長を印象づけている。
刺激的なバイオレンス描写に一切頼らず、美術、衣装、ロケーションにこだわり、格調高さすら感じさせるゴシックワールドを創造したスタッフの丹念な仕事ぶりも見逃せない。ジャパニーズホラーのテイストも取り入れ、クラシカルなタッチとモダンなホラー演出を巧みに使い分けた監督は、ケリー・ライリー&マイケル・ファスベンダー主演の『バイオレンス・レイク』(08)で絶賛されたジェームズ・ワトキンスだ。スーザン・ヒルの原作小説にエモーショナルな改変を加えた脚本家は、『キック・アス』(10)、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)の注目株ジェーン・ゴールドマン。さらに『裏切りのサーカス』(11)のいぶし銀俳優キアラン・ハインズ、『アルバート・ノッブス』(11)でアカデミー助演女優賞ノミネートのジャネット・マクティアらの実力派がラドクリフの脇を固めている。【Movie Walker】