神木隆之介、『桐島、部活やめるってよ』は「打ちのめされた映画です」
朝井リョウの同名小説を映画化した『桐島、部活やめるってよ』(公開中)で、9月13日に、神木隆之介登壇の舞台挨拶が急遽開催。チケットは発売後、5分で完売し、神木ファンをはじめ、本作を絶賛するリピーターたちが駆けつけた。神木は「今日、ここに立てて、本当に嬉しいです」と、笑顔で語り、本作へのただならぬ思いを口にした。
神木、橋本愛、大後寿々花ら若手キャストのアンサンブル演技が光る『桐島、部活やめるってよ』。神木が演じたのは、黒ぶちメガネでイケてない映画部2年生の前田涼也役。演じた神木は、「僕の性格が前田と真逆なんです。僕は高校時代、よく人としゃべったし、たくさんの友達もいたし、スポーツもバスケットとかをやって遊んでいました。だから、役作りは難しかったけど、楽しかったです」と語った。
高校生の揺れ動く心の動きをリアルに切り取った新しい青春映画という評判の本作。完成した映画を見た時、神木はこう思ったという。「撮影の時、僕は高校3年生でした。これから社会人って時、僕が受け取ったメッセージは、自分と向き合うことは大事だというものでした。僕は、学生時代に自分と向き合うことから逃げていたから。ある意味、打ちのめされた映画です」。
神木は、本作について特別な思い入れがあるようだ。「大人への第一歩を後押ししてくれた映画なのかなって。撮った時期や、初めて完成した映画を見た時期もそうだし、自分で逃げていたことに向き合わされたという現実も関係するのかもしれない。大人へ近付くための大事な要素を、この映画に出演したことで、こういうことなのかな?ってわかったような気がして。今後、人生を振り返った時、この映画が僕をすごく成長させてくれた出会いだったと、必ず思うはずです」。
後半では、ファンからの質問に答えていった神木。「次はどんな役がやりたいですか?」という質問については、「社会人の役。スーツを着て、新人社員って感じで、名刺交換をしてみたい」と笑顔で語った。高校を卒業し、本作を経て、新たなステージへの船出を果たした神木隆之介、19歳。彼にとって特別な作品、『桐島、部活やめるってよ』をまだ未見の人は、今すぐ劇場へ!【取材・文/山崎伸子】