『SAFE』で長編映画デビューした子役キャサリン・チェンの魅力って?
重要な暗号を記憶したために、マフィアから命を狙われる中国人少女を保護すべく、危険な戦いに身を投じる男の戦いを描いた『SAFE セイフ』(10月13日公開)。ニューヨークを縦横無尽に駆け回り、幼い少女を守るために命をかけるヒーロー、ルーク・ライト(ジェイソン・ステイサム)の姿は、『レオン』(95)や『アジョシ』(11)などの作品を彷彿とさせる。
あえて生身のリアルなアクションにこだわり、ワイルドな鉄拳バトルはもちろん、壮絶な銃撃戦とカーチェイスが連続する。チャイニーズマフィア&ロシアンマフィア&悪徳警官対ルーク・ライト。ルークはこの極限の四面楚歌を打破し、少女を守ることができるのだろうか。
ジェイソン・ステイサムの映画では珍しく、少女を守るべく体を張り、その少女との心の交流も描かれる。ステイサムの相手を務める子役も半端な役者では成り立たない。しかし、大抜擢されたメイ役のキャサリン・チェンは、何と本作が長編映画デビュー。シカゴ生まれのロサンゼルス在住、8歳で演技レッスンを始め、10歳にしてステイサムと肩を並べる本作に起用されたのだ。劇中で、キャサリン・チェンは数字を即座に覚えてしまう天才コンピューターの頭脳を持った神童を演じている。
彼女を起用したプロデューサーのローレンス・ベンダーは、「もう一人の主役がキャサリン演じるメイだ。彼女を見つけるまでが大変なプロセスだった。世界中で少女たちをオーディションした。上海、北京、カナダ、ニューヨーク、ロサンゼルス、バンクーバー。12歳の中国人少女を演じられる、完璧な中国人少女を見つけようと大々的に探し回った。そして遂に僕たちの主人公を見つけ出した。彼女には知性、共感、思いやり、温かい心が見事に混ざり合っている。彼女に同情するだろう。彼女は素晴らしいよ」と絶賛する。ボアズ・イェーキン監督も「キャサリンには、歴史のある国からやって来たという感覚と、哀愁と静けさが混ざり合っていた。それが彼女の信憑性を作り出し、彼女を子役ではなく、本当の子供に感じさせてくれたんだ」と、その印象を語った。
時には冷たくステイサムに上から目線で話しかけ、女の子扱いされることを嫌う。ただ、時折見せる笑顔がギャップを生み出し、キュートでもあるキャサリン。是非とも劇場でキャサリン・チェンの演技を見守ってほしい。【Movie Walker】