渡辺直美と意外な共通点!? 井上真央「友だちが少ないところが似てる」
井上真央が、『舞妓Haaaan!!!』(07)の水田伸生監督作『綱引いちゃった!』(11月23日公開)で、綱引きチームのキャプテン役を好演。「綱娘」という女性8人のチームメンバーは、井上を筆頭に、松坂慶子、浅茅陽子、西田尚美、ソニン、渡辺直美、犬山犬子、中鉢明子と、バラエティあふれる面子だ。井上にインタビューしたら、ド根性の撮影裏話や、渡辺直美との意外な共通点の話題に花が咲いた。
井上が演じた大分市役所職員・西川千晶は、市の知名度アップのため、また母が勤務する給食センターの廃止を阻止するために、綱娘を結成。8人は本気で綱引きにトライした。「今回の役作りは、綱引きを一生懸命やること、形にすることでした。徐々に技術も上達していき、チームが一つになっていく過程が、お芝居とリンクして見えれば良いかなと思っていました。現場では、芝居論よりも綱論でした(笑)。いかに引けるか、いかに姿勢を保てるかってことが大きかったです」。
ちなみに、8人の中では誰が仕切り役だったのか。「仕切り役って、盛り上げ役ですか?直美ちゃんがいる時は、色々と笑わせてくれました。中鉢さんはクールに見えるけど、すごく天然で、みんなのいじられキャラだったし、西田さんは突っ込み役でした。松坂さんは人に対して壁を作ったり、威圧感を全く与えない方で、いたら甘えたくなっちゃうくらい本当に良いお母さんという感じでした」。
渡辺とは、意外な共通点を発見したそうだ。「ふたりになると、意外と友達が少ない、という話題で盛り上がりました。私はちょっと人見知りな面があるんですが、直美ちゃんもそうらしくて。すごく意外でしたが、直美ちゃんも、私がそうだってことに驚いていました(笑)。私は地元に友達が多いし、共演者の方とすぐ仲良くなったりできないんですが、直美ちゃんもそうで。『お互いに人見知り具合が似てるね』という話になりました。でも、みんなでいると、直美ちゃんは一番年下だし、とても気を遣う方なので、すごく楽しませてくれました」。
さらに、渡辺の顔芸を絶賛する。「顔がすごく柔らかいんです。表情が面白いんですよ。観客というよりも、まず身近にいる私たちを笑わせようとするサービス精神がありました。いろんな顔芸を見せてくれましたね。また、お腹を揺らしたりとか、いろんな芸で笑わせてくれました」。
「綱娘」のチームワークの良さは、スクリーンからも伝わってくる。劇中で、松坂慶子扮する千晶の母・容子が語る「人生は団体戦」というセリフが心に響く。「映画やドラマも、チームワークが良くないとできないですよね。どんな作品でも、お互いの信頼関係が大事だし、輪を乱すことがあってはいけないと思います。やっていくなかで、一つになれたと思う瞬間があれば、それだけで頑張れますし。今回は綱引きのシーンがそうでした。体力も年代も違うメンバーたちでしたが、みんなで気を遣いながら進めていったんです。常に良いチームワークだったなと思います」。
子役からキャリアをスタートさせ、今は主演を務めることが多くなった井上だが、彼女はプレッシャーとどう向き合って来たのか?「責任感やプレッシャーって、やり甲斐や使命感と紙一重な部分があると思うんです。NHKの朝ドラ『おひさま』をやった時、もしも自分が倒れてしまったらどうしようというプレッシャーが常にありましたが、その分、やり甲斐も大きかったし。もちろん、私なんかがやって良いのだろうかという思いもありますが、そう思うこと自体、私を信じて任せてくれた方や見てくれる方に対して失礼な姿勢かなって。結局は自分の気持ち次第というか、そこに関してはポジティブに思えるようになってきました」。
『綱引いちゃった!』でも、見事にチームのキャプテンを務めた井上真央。前向きに女優道をひた走る彼女のひたむきさは、本作のヒロイン像にもしっかり反映されている。【取材・文/山崎伸子】