しおらしいオトメン要潤にハートをズギュン!男女逆転『大奥』で人気沸騰!?
よしながふみの男女逆転「大奥」といえば、勇ましく男前な女将軍と、それに仕える大奥の美男子たちという、女子の妄想を具現化した女ハーレムの構図がミソだ。連続ドラマ「大奥 誕生 有功・家光篇」と、映画化第2弾『大奥 永遠 右衛門佐・綱吉篇』(12月22日公開)で主演を務めた堺雅人は、その美味しい役どころの頂点を極めたわけだが、脇キャラの愛らしい男たちも、甲乙つけがたいほど魅力的だ。特に映画では、菅野美穂扮する五代将軍の徳川綱吉の側室・伝兵衛役の要潤が、これまで見たことがない、しおらしい乙女ぶりを発揮している。
伝兵衛は身分の低い出ではあるが、綱吉の側室となり、綱吉との間に松姫を授かったことで、大奥で絶対的な地位を築く。でも、クールでクレバーな右衛門佐とは対照的な性格で、自分に自信が持てないなよなよキャラだ。野心はあれども、自身の才で道を切り開いていくタイプではないが、綱吉とその父・桂昌院という巨大権力におぶさり、“長いものには巻かれろ”という処世術には長けた人物だ。
とにかく、庇護欲をそそる甘えっぷりは、女性も見習いたいところだろう。周りに対して常にきりっと男らしく構えている綱吉も、お気に入りの伝兵衛を前にすると、柔和な表情を見せる。綱吉にとって彼の女々しさ、弱さは、心の癒しに他ならない。これがまた、ひょうひょうとしたイケメンキャラの印象が強い要潤が演じるからこそ、ギャップがたまらなく良いのだ。
その他、伝兵衛を可愛がる桂昌院役の西田敏行のキャラクターも最高だ。余談だが、桂昌院の若い頃、すなわち玉栄役を演じたのはKAT-TUNの田中聖で、このトルネード級に意表をついたキャスティングもツボである。西田が演じた桂昌院について、堺雅人はインタビューで「おじちゃんとおばちゃんと子供が一緒になったキャラクターに説得力を感じました」と絶賛していたが、確かにこの手のコテコテかつおちゃめなキャラクターを演じるにおいて、西田の右に出るものはいないだろう。
ということで、堺雅人、菅野美穂というメインはもちろん、脇のキャラクターの個性も際立った『大奥 永遠 右衛門佐・綱吉篇』。さて、あなたのお気に入りのキャラクターは誰になるだろうか?【取材・文/山崎伸子】