スパイク・リー監督が『ジャンゴ 繋がれざる者』を猛批判!「先祖に失礼」
ジェイミー・フォックス、レオナルド・ディカプリオ、サミュエル・L・ジャクソンらが出演している『ジャンゴ 繋がれざる者』(2013年3月1日公開)は、クエンティン・タランティーノ監督が約3年ぶりに放つアクション大作として話題を集めているが、黒人映画監督のスパイク・リーは同作を猛烈に批判している。
同作は米国ではクリスマス公開だが、リー監督は「あまりにも先祖に失礼」なので、同作を見ることさえできないという。リー監督は、タランティーノ監督が黒人を扱った作品には以前から批判的で、『ジャッキー・ブラウン』(97)でも“ニガー”という言葉の使用を非難したことがあった。
「僕はそれについて語るつもりはない。 なぜなら、見るつもりもないからだ。僕はあの映画は見ない。僕に言えるのは、あの映画を見ることは先祖に対して失礼だということだけだ。先祖を冒涜することはできない。僕は何かを代表してこれを言っているわけではない。自分自身のために言っているのだ」と、リー監督はVIBE TVに語っている。
また、リー監督は12月21日にツイッターでも同作について触れ、「アメリカの奴隷制度は、セルジオ・レオーネのスパゲティウェスタンのようなものではなかった。それはホロコーストだった。僕の先祖は奴隷だった。アフリカから盗まれてきた人々だった。僕は彼らに敬意の念を持っている」とツイートしている。
『ジャッキー・ブラウン』で38回も“ニガー”という言葉が使われた時にも、リー監督は「その言葉を使うな、と言っているわけではないし、僕自身、多くの自分の作品でその言葉を使っている。だが、タランティーノの場合は、どこかおかしいんじゃないかと思う。『パルプ・フィクション』(94)でも、『レザボア・ドッグス』(92)でも、ひたすらニガーの連発だ」と語ったことがあった。【UK在住/ブレイディみかこ】