『髑髏城の七人』の小栗旬、森山未來、早乙女太一、勝地涼が語る「刺激的な現場」

インタビュー

『髑髏城の七人』の小栗旬、森山未來、早乙女太一、勝地涼が語る「刺激的な現場」

小栗旬、森山未來、早乙女太一、勝地涼共演の劇団☆新感線の舞台を映像化した「ゲキ×シネ」シリーズ第10作目『ゲキ×シネ 髑髏城の七人』(2013年1月12日公開)。18台のカメラで押さえた舞台のベストショットで構成され、舞台とも映画とも違う、独自のエンターテインメント作品となった本作では、小栗たちの汗や涙、細やかな表情までもが映し出されている。小栗たち出演者にインタビューし、舞台裏を語ってもらった。

時代は、織田信長亡き後の戦国時代。かつて信長に仕えた天魔王(森山未來)は、武装集団「関東髑髏党」を率いて、豊臣に代わって天下を取ろうと目論む。捨之介(小栗旬)はその野望を阻止すべく立ち向かう。勝地涼は捨之介の仲間となる兵庫役、早乙女は捨之介と天魔王のかつての仲間・無界屋蘭兵衛役に扮する。

劇団☆新感線の舞台に初参加した小栗は、「すごく刺激的な環境でした」と振り返ると、全員がうなずく。 ゲキ×シネを見た感想としては「面白かったです。自分のつたない立ち回りが、編集してくれたことでちょっと上手く見えるところが良かったです。ただ、もう少しちゃんとメイクをすれば良かったかな」と感想を語った。森山は「映画化のことは意識せずに、あくまで演劇空間での表現として演じていたので、テンポの速さが気になるシーンがあったりして、自分のパートはあまり客観視できなかったです。でも、これだけ若い面子でやっていると、粗が多少あっても、エネルギー押しで行けた気はします。みんなの熱量の高さが、寄りで切り取られると迫力があり、面白いものを見たなという感じになりました」。

早乙女は開口一番、「楽しかったです」と感想を述べ、「自分が見えていないところとか、いろんな発見があって、新鮮に思えました」というと、勝地も「自分がこんな感じにできてなかったんだと恥ずかしい感じで見ました。でも、他の人のアップの表情とかを見られて新鮮でしたね」と語った。

4人のなかでは、どうやら森山が突っ込みキャラで、勝地がいじられキャラのようだ。森山が「勝地は体を動かしている時、空っぽの顔をしていることがあったよね(笑)」と斬り込むと、勝地が「何でやねん。めっちゃ真剣やん」と、なぜか関西弁で抵抗。さらに森山は、勝地について「一発目に100点を出すタイプですね」と追い打ちをかけると、勝地は「たまに上がるわ」と苦笑いしつつ、「それは永遠のテーマですね。いつも一発目が一番面白いと言われるから」と自戒。小栗は「面白いね」と笑いながら、そのやりとりを見守っていた。

主演級の人気スターである4人だから、それぞれにライバル心などが芽生えたりしなかったのだろうか?小栗は「僕個人の話ですが、太一は太一で本当に刀が上手ですし、未來は未來ですごく動けるので、そこは悔しい思いをたくさんしました。チキショウ、できない自分にむかつく!ってことが結構ありました」と告白。

早乙女は、大衆演劇の劇団朱雀2代目で、幼い頃から殺陣をやってきたが、今回は苦労したという。「剣に自分の役の感情をどれだけ表せるかということをすごく意識しながらやりました。でも、公演を続けていると、その役というよりも、きつい自分の気持ちの方が重なっていって、そこが大変でした」。早乙女相手に激しい殺陣を魅せた森山は、「蘭兵衛より強い天魔王ということで、精神的には上であることを常に考えていました。立ち回りにしても、蘭兵衛より強くなくてはいけなかったので、そこは難しかったですね。マントを背負った衣装での勝負のシーンもあったので。太一は刀で言語を投げてくるので、そこでちゃんと会話をしなければいけなかった。殺陣のふりだけを覚えるのでは駄目だということを意識したのは初めてでした」。

小栗旬、森山未來、早乙女太一、勝地涼が全力投球した『ゲキ×シネ 髑髏城の七人』。それぞれに見せ場があり、その闘魂ぶりは余すことなくスクリーンに投影されている。ゲキ×シネならではの迫力満点のライブ感は、大きなキャパシティの劇場でこそ体感できるものなのだ。【取材・文/山崎伸子】

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